術衣

術衣について

術衣（じゅつい）は、医療現場、特に手術室で医療従事者が着用する専用の衣服です。手術用ガウンの下に着用することが基本で、患者の安全を守る上で重要な役割を果たしています。

概要

術衣の主な目的は、手術中に医療従事者の衣服が汚染されるのを防ぐことです。清潔な環境を保つために、素材やデザインにも工夫が凝らされています。一般的には、Vネックで半袖の「スクラブ」と呼ばれるタイプが広く使われています。

色

手術中に血液を多く扱うことを考慮し、術衣の色は赤の補色である緑色や、それに近い青色、または青に近い紫色が選ばれることが多いです。これらの色は、血液の赤色を目立たなくさせ、医療従事者の目の疲労を軽減する効果があります。近年では、特に女性向けに赤系の術衣も登場しています。

常時着用

術衣は、動きやすさや衛生面から、手術時だけでなく日常的に着用されるケースが増えています。救急医療や集中治療室（ICU）、新生児集中治療室（NICU）の医師、外科系の医師などが、以前から術衣を着用する傾向がありましたが、現在では外来中心の医師や開業医など、手術をしない医師の間でも術衣を着ている人が多く見られます。これは、術衣が医療現場での動きやすさと清潔さを両立できるためと考えられます。救命救急センターなどでは、術衣がユニフォームとして採用されている場合も少なくありません。

特徴

術衣は、動きやすいように設計されています。白衣と比較すると、身体の可動域が広く、緊急時にも迅速に対応できます。そのため、以前は白衣を着用していた医療従事者が、術衣に切り替えるケースも多く見られます。

救急処置時

救急処置の際には、病院の方針によって、術衣の上にガウンを着用することがあります。これは、更なる感染対策として行われるもので、医療従事者と患者の両方を守るための措置です。

関連情報

術衣は、医療現場における感染管理の重要な要素の一つです。医療従事者は、適切な術衣を着用することで、患者への感染リスクを最小限に抑えるとともに、自身の安全も確保することが求められます。


参考資料:

アスクル 術衣関連ページ


関連項目:

衣服
* 救急医療

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