救急処置

救急処置とは

救急処置とは、怪我や病気で倒れた人を、医師や救急隊員に引き継ぐまでの間に行う応急的な手当のことです。この処置は、傷病者の命を救い、その後の回復を助けるために非常に重要です。

救急処置は大きく分けて、救命手当と応急手当の2つがあります。

救命手当

救命手当は、心肺蘇生法や止血など、生命を維持するために緊急性の高い処置を指します。近年では、自動体外式除細動器（AED）の使用も含まれます。これらの処置は、心臓や呼吸が止まってしまった場合に、一刻も早く行う必要があります。

応急手当

応急手当は、救命手当以外の、骨折、脱臼、捻挫、熱傷などに対する処置を指します。これらは、傷病の悪化を防ぎ、痛みを和らげることを目的とします。

一般市民による救急処置

救急処置は、医療従事者だけでなく、一般市民も行うことができます。特に、救急車が到着するまでの間、適切な処置を行うことで、救命率を大きく向上させることができます。

救急処置が直ちに必要な例

以下のような状態の場合は、直ちに救急処置が必要となります。

心停止: 心臓が停止している状態です。直ちに心肺蘇生法を開始する必要があります。
呼吸停止: 呼吸が停止している状態です。直ちに心肺蘇生法を開始する必要があります。
意識障害: 意識がない、または意識が朦朧としている状態です。救急車を呼び、原因を特定する必要があります。
大量の出血: 大量の出血がある場合、止血処置が必要です。救急車を呼び、出血の原因を特定する必要があります。
広範囲または重度の熱傷: 広範囲にわたる、または重度の熱傷は、速やかな処置が必要です。救急車を呼び、病院での治療が必要です。
中毒: 中毒症状が出ている場合、原因物質の特定と適切な処置が必要です。救急車を呼び、医師の診察が必要です。

複数の傷病が合併している場合は、緊急度の高いものから優先して処置を行う必要があります。

注意点

救急処置を行う際には、以下の点に注意する必要があります。

救急処置は、あくまでも医師や救急隊員に引き継ぐまでの応急的な処置であることを理解してください。必ず医師の診察を受け、適切な治療を受ける必要があります。
死亡の診断は医師のみが行うことができます。
原則として、市販の薬（軟膏、アロエ果汁など）は使用しないでください。ただし、本人が医師から処方された薬であれば、使用できる場合があります。例として、ニトログリセリンなどがあります。他人に処方された薬は、絶対に利用してはいけません。
救助者自身の安全を確保し、二次的な事故や災害を防ぐように努めてください。

関連情報

救急処置に関する知識や技術を学ぶためには、以下の講習会や団体が参考になります。

日本赤十字社
赤十字救急法救急員
救命講習
応急手当普及員
応急手当指導員
日本の救助隊

参考文献

『改訂3版　救急蘇生法の指針　市民用』（へるす出版、2006年）
『改訂3版　救急蘇生法の指針　市民用・解説編』（へるす出版、2006年）
『応急手当講習テキスト』（東京法令出版）
『赤十字救急法基礎講習テキスト』（日本赤十字社、平成20年）
『赤十字救急法講習教本』（日本赤十字社、平成20年）
『救急法教本』（国際救急法研究所、1997年）
* 『全訂　消防団員実務必携』（東京法令出版、平成23年）

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