街かどの神話

郷ひろみ7作目のオリジナルアルバム『街かどの神話』：70年代アイドルシーンを彩る名盤

1976年10月25日、CBS・ソニーより発売された郷ひろみの7枚目のオリジナルアルバム『街かどの神話』は、彼の音楽キャリアにおいて重要な位置を占める作品です。前作『GO GOES ON!(Part2)〜HIROMI IN U.S.A〜』から約1ヶ月という短いスパンでのリリースであり、オリジナルアルバムとしては『HIROMIC WORLD』から約11ヶ月ぶりとなります。

このアルバムの大きな特徴として、郷ひろみが初めて作詞・作曲を手掛けた楽曲が収録されている点が挙げられます。荘久史名義で提供されたこれらの楽曲は、彼の音楽性における新たな一面を示すものであり、それまでの作品とはまた違った魅力を聴かせてくれます。

アルバムには、既にシングルとしてリリースされていた楽曲とそのカップリング曲が複数収録されています。代表的な楽曲として、18枚目のシングル「あなたがいたから僕がいた」とそのカップリング曲「夏のページ」、そして19枚目のシングル「寒い夜明け」とそのカップリング曲「南の果物」などが挙げられます。これらの楽曲は、70年代の日本の音楽シーンを代表する名曲として、現在でも高い人気を誇っています。

その他にも、多彩な楽曲が収録されており、聴き応えのあるアルバムとなっています。例えば、「街かどの神話」はアルバムの表題曲として、郷ひろみの魅力を存分に発揮した楽曲です。また、「あの地平線」「もう会えません」「小さな友情」「限りなき愛の日々に」「桜の五線譜」「青いサンダル」「アメリカより愛をこめて」など、それぞれの楽曲が異なる魅力を放ち、アルバム全体に統一感と奥行きを与えています。

これらの楽曲は、筒美京平、橋本淳、楳図かずお、寺田声、大兼佳也といった、当時を代表する作詞家・作曲家・編曲家たちが制作に携わっており、その高い音楽性がアルバム全体の高品質に繋がっています。編曲は船山基紀や高田弘が担当し、70年代特有のサウンドアレンジが、楽曲の魅力を引き立てています。

『街かどの神話』は、郷ひろみの歌唱力と、豪華な制作陣による楽曲のクオリティの高さが融合した、まさに70年代アイドルシーンを代表する名盤と言えるでしょう。その後、1991年9月15日にはCD規格で再発売され、より多くの人に聴かれる機会を得ることとなりました。このアルバムは、郷ひろみの音楽史における重要なマイルストーンとして、現在でも高い評価を受けています。当時を知る世代にとっては懐かしさ、そして現代のリスナーにとっても新鮮な魅力を感じさせる、タイムレスな作品と言えるでしょう。

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