衛藤功二

衛藤 功二（えとう こうじ）

衛藤功二は、日本のアニメーション界において著名な美術監督であり、アニメ制作会社ufotableに所属しています。彼の作品は多彩で、数々の人気アニメーション作品の背景美術に携わってきました。

経歴

衛藤は兵庫県出身で、幼少期からゲームに情熱を注いでいました。そのため、彼はゲームに関連した仕事を目指すようになり、ゲームアニメーションの背景美術を手がけるスタジオ・スパローに入社します。実のところ、成人するまで絵を描くことがほとんどなく、デッサンの経験もなかった衛藤は、業界に入ることで初めて絵を描くようになります。

彼は、名美術監督菊池正典の指導を受けながら、ポスターカラーを使用した伝統的な手描きの背景美術を学びました。その後、2003年にスタジオイースターへと移り、アニメーション作品の背景美術を担当しました。

2005年には、テレビアニメ『SPEED GRAPHER』で初めて美術監督を務めた後、『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』や『STEINS;GATE』、『PSYCHO-PASS サイコパス』などの作品でその名声を高めていきました。

その後、スタジオイースターが手がけたufotable制作の劇場版『空の境界』に携わる機会があり、ここでの経験が衛藤のキャリアに大きな影響を与えました。当初は少数のカットを手伝う予定でしたが、最終的に第五章において50カット近い美術を担当することになります。この実績により、上司から第六章の美術監督に推薦され、さらなる成功を収めました。

長年スタジオイースターで働いた衛藤ですが、2013年にufotableの美術部に移籍します。この移籍は、彼がスタジオ単位でなく個人としてufotableからの依頼を受けることになったことがきっかけでした。移籍後は、数多くのufotable作品で美術監督を担当し、社内スタッフの育成にも力を注いでいます。

技術とスタイル

衛藤は、デジタルペイントや3DCGを駆使した現代的な背景美術の制作に注力しています。彼の初期のスタイルはフォトリアルな美術を追求していましたが、2014年制作の『Fate/stay night [Unlimited Blade Works]』以降、より色彩豊かで絵であることを意識したスタイルに変化させています。この方針変更の意図は、キャラクター作画を際立たせるためのものでした。

特に、『Fate/stay night [Unlimited Blade Works]』では背景美術と3DCGを組み合わせた新しい表現方法に挑戦し、その成果を参考にして3DCGの技術を学ぶことになります。これを基に、衛藤はufotable美術部内に「ufotable美術3Dチーム」を結成し、背景美術と3DCGの融合に取り組むようになりました。

受賞歴

2023年2月9日には、東京アニメアワード2023において『個人賞 美術・色彩・映像部門』を受賞しました。これにより、アニメーション界での彼の貢献が称賛され、さらなる注目を集めています。

作品リスト

衛藤の作品には、テレビアニメ『鬼滅の刃』や『Fate/Zero|Fate_Zero』、劇場版『空の境界』シリーズなど多岐にわたります。特に鬼滅の刃は国内外で大ヒットし、ゲームアニメーションやその他のメディアでもその才能を発揮しています。

アニメ業界において、その独特なセンスと技術で多くの人々を魅了している衛藤功二。彼の今後の活躍にも注目が集まります。

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