衣斐賢譲

衣斐 賢譲（いび けんじょう）

衣斐賢譲は、1939年9月24日に三重県鈴鹿市神戸に生まれた政治家であり僧侶です。彼は臨済宗東福寺派別格地「天澤山龍光寺」の住職として神聖な活動を行い、また鈴鹿市の政治においても重要な役割を果たしました。1987年から1995年まで鈴鹿市長を務め、特に地域の活性化と国際交流に注力し、多くの市民に支持されました。

経歴と初期の活動

衣斐氏は三兄弟の一人として育ち、早稲田大学法学部を卒業後、東福寺で修行を重ねました。1966年には龍光寺の住職に就任し、茶道の珠光流12代宗家も継承しました。この背景から、彼は地域社会の伝統文化を大切にし、後に鈴鹿青年会議所の初代理事長に選出され、地域経済や若者の育成に寄与しました。

政治活動

1983年、鈴鹿市選挙区から無所属で三重県議会議員に立候補し見事第1位で当選。その後、1987年の鈴鹿市長選挙に挑戦し、現職の野村仲三郎を破って当選しました。市長としての在任中、賢譲氏は鈴鹿市の振興を図り、国内外の交流に積極的に取り組みました。彼のリーダーシップの下で市は多くのプロジェクトを展開し、地域の文化と経済が活性化しました。

しかし、1995年には鈴鹿市長選に再度挑戦しますが、元県議会副議長の加藤栄に敗れ、政治の舞台から一時退くこととなります。

政治活動の終焉とその後

衣斐氏はその後も政治への関与を続け、2000年には自民党公認で衆議院議員を目指しましたが、再び敗北を喫しました。さらに、選挙中に外食を提供したことが発覚し、公職選挙法違反で逮捕され、有罪判決を受けることとなります。これにより彼は政界から引退を余儀なくされました。

政界引退後、衣斐氏は龍光寺の住職に専念し、郷土の歴史や文化に関する著書を発表することで、地域貢献を続けました。2004年には特定非営利活動法人「SUZUKA文化塾啐啄庵」を設立し、国際交流や文化の継承に努めました。

著作と影響

衣斐賢譲の著作には、地域の歴史を綴ったものや、茶道に関する書籍があり、特に『昇龍の影』や『佐佐木信綱の世界』は評価されています。また、これらの書籍を通じて彼の思想や地域への愛情を広め、後世に受け継がれる部分も多いとされています。

最期

2017年12月31日、衣斐賢譲さんは近鉄名古屋線千代崎駅で交通事故に遇い、享年78歳でこの世を去りました。彼の生涯は三重県鈴鹿市の文化や地域振興に大きな影響を与え、今でも多くの人々に愛されています。

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