衣類乾燥機

衣類乾燥機について

衣類乾燥機とは、洗濯が終わった後の湿った衣類を迅速に乾かすための家庭用電化製品です。欧米で広く普及しており、その普及率は洗濯機の約70%に達するそれに対し、日本でも住宅環境や気候の影響から、特に冬季に人気が高まり、急速に普及しています。寒い時期には日照時間が短く、外に洗濯物を干しにくいこともあり、衣類乾燥機の需要が増えています。また、花粉症対策としても効果的とされており、衣類に花粉が付着するのを防ぐ役割も持っています。

構造と機能

衣類乾燥機の内部には、回転するドラムがあり、正面に設けられた扉から衣類を投入します。運転を開始すると、ヒーターが活躍し、ドラム内の温度を上昇させます。この熱により、衣類に含まれる水分が蒸発します。

安全性も重要なポイントであり、運転中にドアを開けると自動的に運転が停止する装置が備わっています。ヒーターの熱源は、電気（電熱またはヒートポンプ）やガスが一般に使用されていますが、ガスを使ったモデルは短時間で乾燥を完了し、経済的であることが特徴です。

乾燥機の運転中、ドラム内の温度は部屋の温度よりおおよそ10℃ほど高い場合が多く、場合によっては65℃や70℃に達することもあります。ただし、100℃を超える機種もあり、熱に弱い合成繊維などの衣類には十分注意が必要です。特に、しわになりやすい衣類の場合は、乾燥時間を短くし、少し生乾きにして干すことで、美しい仕上がりが得られます。

また、衣類に付着した油分（食用油や機械油など）が加熱によって酸化され、自然発火の可能性があるため注意が必要です。

排出方式とメンテナンス

乾燥機から蒸発した水分を排出する方法には、熱風をそのまま外に排出する「排気形」と、空気を冷却して水に戻して排出する「凝縮形」があります。これらのシステムにはフィルターが設けられており、糸くずなどが詰まると乾燥効率が落ちるため、フィルターのお手入れが大切です。さらに、洗濯物をよく脱水し、詰め込みすぎず、程よい量にすることも省エネルギー効果を向上させます。

衣類乾燥機は、廃棄の際には家電リサイクルの対象となるため、注意が必要です。特定家庭用機器再商品化法により、電気・ガス式の機器はリサイクルの対象ですが、布団用乾燥機や業務用機器は対象外です。

コインランドリーと設定

コインランドリーでも大型の衣類乾燥機が導入されており、一定の料金を支払うことで利用できます。利用料金は店舗によって異なりますが、例として100円で約10分の運転が可能です。これはあくまで一例であり、全国的な相場ではありません。

特別な日

毎年1月28日は、日本電機工業会が「衣類乾燥機の日」と定めており、「衣類ふんわり」という語呂合わせに由来しています。この日には、衣類乾燥機の重要性や便利さを再認識し、利用を促進する意義があります。

衣類乾燥機は現代の生活に欠かせない存在であり、利便性とともに安全に利用するための知識を持つことが重要です。

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