袁珂

袁珂 (えんか)

袁珂（えんか、1916年7月12日 - 2001年7月14日）は、中華人民共和国の著名な神話学者であり、彼の本名は袁聖時です。彼はまた、丙生、高標、袁展といった複数の筆名を持っていました。袁珂は中国大陸の神話や伝説、神仙譚に関する文献を広く研究し、これを体系的にまとめることで「中国神話学」の確立に大きく貢献しました。

来歴・人物

袁珂は四川省の新繁県（現在の成都市新都区）に生まれました。1946年には台湾省編訳館に勤務し、館長の許寿裳から教えを受けていました。彼は教科書の編集及び海外の名著の翻訳に従事しつつ、中国神話の研究を始めました。1949年に四川省に戻った後は、文化大革命を経て1976年に研究活動を本格的に再開しました。このような活動を彼は中断していた旧稿の改訂に取り組むことからスタートし、1978年には四川省社会科学院の研究員に任命されました。1984年には中国神話学会の主席に選出され、彼の影響力はますます高まりました。

著作

袁珂は数多くの著作を残しています。主な著作には以下のようなものがあります：

• - 『中国古代神話』(1950年、商務印書館、及び1957年に増訂版)
• - 『中国神話故事新編』
• - 『中国神話伝説』
• - 『中国文学簡綱』
• - 『山海経校注』(1980年、上海古籍出版社)
• - 『山海経全訳』
• - 『神話論文集』
• - 『神話資料集萃』
• - 『中国神話史』
• - 『中国神話伝説詞典』
• - 『中国民族神話詞典』
• - 『中国神話大詞典』
• - 『神異篇』
• - 『巴蜀神話』（共著）

また、彼の作品は日本語にも翻訳されており、以下のような翻訳があります：

• - 『中国古代神話』（伊藤敬一、高畠穣、松井博光訳、みすず書房、1960年）
• - 『神話選訳百題』（北原峰樹訳、北九州中国書店、1989年）
• - 『中国の神話伝説 上・下』（鈴木博訳、青土社、1993年）
• - 『中国神話物語』（植田渥雄、三木直大編訳注、大学書林、1985年）
• - 『中国神話・伝説大事典』（鈴木博訳、大修館書店、1999年）
• - 『中国神話史』（佐々木猛訳、集広舎、2023年）

影響と業績

袁珂の研究は、古代中国の神話を理解する上で不可欠な資料とされています。彼の編纂した文献や研究は、神話の系統化と理解を進める助けとなり、多くの学者や研究者に影響を与えました。彼の功績は単に神話学の領域に留まらず、文学や文化の研究にも大きな影響を与えました。

参考文献

彼の著作や業績に関する詳しい情報は、彼自身が著した作品や、鈴木博と共訳した『中国の神話伝説』に記されており、袁珂の自伝的な内容も収められています。このように、彼の人生と業績は研究の成果として評価されています。

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