袋井用水

袋井用水（ふくろいようすい）

徳島県徳島市鮎喰町に位置する袋井用水は、農業用水を供給する重要な用水路です。この用水路は、徳島県指定文化財史跡およびとくしま市民遺産に選定されており、地域にとって歴史的にも文化的にも価値のある存在です。

地理

袋井用水の水源地は、徳島市鮎喰町2丁目に位置し、国道192号の上鮎喰橋近くにあります。鮎喰川の支流であった伏流水を掘り起こして作られたこの水源地は、現在も豊かな水を供給し続けています。また、袋井用水は桜の名所としても有名で、水路沿いにはソメイヨシノが植えられており、春には美しい桜並木が訪れる人々を楽しませます。

歴史

袋井用水の歴史は、江戸時代初期に遡ります。当時、鮎喰川の本流は眉山麓を流れていましたが、城下が洪水に悩まされていたため、川の流れをせき止め、堤防（蓬庵堤）を築き、支流の一つを本流としました。この変更により、新たな用水路が必要となり、元禄5年（1652年）に名東郡島田村の庄屋であった楠藤吉左衛門が中心となり、島田村、蔵本村、庄村の3か村の新田開発を目的として、旧佐吉川筋に幅10間（約18m）、延長200間（約360m）の用水路の開削に着手しました。

1699年（元禄12年）、吉左衛門は古い鮎喰川の支流の伏流水を掘り当てることに成功し、袋井用水の基礎が築かれました。その後、吉左衛門の子である楠藤善平、孫の楠藤繁左衛門によって、用水路はさらに拡張され、地域の農業発展に大きく貢献しました。

昭和28年（1953年）7月21日には、袋井用水水源地が徳島県指定文化財に指定され、その歴史的価値が認められました。

流域の自治体

袋井用水は、徳島県徳島市内を流れています。

交通

袋井用水へは、徳島市営バス上鮎喰行きに乗り、「上鮎喰」バス停で下車するとすぐです。

脚注

徳島県指定文化財史跡
とくしま市民遺産

外部リンク

徳島市：とくしま市民遺産 袋井用水
袋井用水

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