装甲巨神Zナイト

装甲巨神Zナイト

「装甲巨神Zナイト」（そうこうきょしんズィーナイト）は、1991年から1993年にかけて、トミー（現在のタカラトミー）が展開した組み立て玩具および、サンライズによって制作されたOVA作品です。このOVAは全1+1話の構成で、トミーが1983年から展開していたゾイドの正当な後継作品と位置づけられています。しかし、高価格からの売れ行き低迷により、後に製品展開が変更され、装甲巨神やバトルアーマーは次第にメタルフットと呼ばれる小型で安価なメカに取って代わることとなります。リモコン操作も行えるような工夫がされましたが、結局ゾイドほどの人気を獲得するには至らず、短命に終わりました。それに反して、数年後にゾイドはTVアニメ化を果たし、人気を再び呼び込むことになります。

ストーリー概要

物語は、遥かな未来の地球を舞台にしています。この地球は環境汚染が進行し、自治組織である「ブルースターユニオン」と、火星に移住した特権階級「キルナ」に分かれてしまった状況です。西暦2997年、地球に彗星が衝突し、巨大な太陽風の影響で地球の大気が浄化される一方、火星は人工大気を失い、住めない星となります。この状況に直面したキルナのギスカール大統領は、国民の目を惑わすため地球への侵略を計画します。

最高司令官に就任したゼルダン将軍は、火星と地球を結ぶ宇宙ステーション「アトランティス」を奪取し、次々とブルースターの拠点を攻略していきます。彼はかつて人類によって生み出された、封印されていた装甲巨神たちを復活させる計画を企てます。また、シャローの神殿に封印されていた装甲巨神「マリンカイザー」を復活させます。

地球側では、アトランティスの襲撃から生き延びたブルースターのベル・ランス中尉が、ノーザナイツの最高司令官オーディンから、封印された装甲巨神「Zナイト」のパイロットに任命されます。彼はZナイトとマリンカイザーとの激しい戦闘を繰り広げ、久しぶりの装甲巨神同士の対決でZナイトが勝利を収めます。

ただし、戦いは終わらない。ゼルダンは、最新鋭のバトルアーマー「ギルガ」に搭乗し、自ら戦場に赴くのです。物語は次なる衝突を予感させながら続きます。

登場人物たち

物語には、様々な登場人物が存在します。主な登場人物には、ブルースター連邦のベル・ランスやアディルス・オーディン、オーラーブ・オーディンとその娘のサラ・オーディン、さらにキルナのアルフレッド・ゼルダンやクレスト・ギスカール、大佐のドムルなどがいます。彼らの個性や背景、互いの思惑が物語をより豊かに彩ります。

ベル・ランスは復讐の念を胸にZナイトのパイロットとして戦う中尉であり、破壊された家族を取り戻す決意を持っています。また、オーディンはブルースターの希望を背負い続ける人物として描かれ、サラは彼女の特別な能力に悩む少女として物語に深みを持たせています。一方、ゼルダンは冷徹な野心を抱く指導者として地球侵略を推し進め、その裏には複雑な思惑が隠されています。これらのキャラクターの動きが、物語の緊張感やドラマを倍増させています。

登場メカニック

作品に登場するメカニックも魅力の一つです。装甲巨神Zナイトは騎士型の装甲を備え、驚異的な防御力と武装力を持ちます。メタルフットやバトルアーマーは、そのサイズや性能によって多彩な戦闘を展開し、それぞれのパイロットによる駆け引きも楽しめます。バトルの舞台は、宇宙や水中と多様で、それぞれの環境に適した装甲巨神たちの戦いが繰り広げられます。

このように「装甲巨神Zナイト」は、壮絶な未来の戦争を背景に、キャラクターたちの人間ドラマやメカニックの魅力を詰め込んだ作品です。飽きることのないストーリー展開と、多様な登場人物の思惑が絡み合う様子が、観る者の心を惹きつける要素となっています。

もう一度検索