裏切り鬼軍曹

映画『裏切り鬼軍曹』（原題: Sergeant Ryker）は、1968年に公開されたアメリカの戦争ドラマ映画です。1963年に放映されたテレビシリーズ『The Case Against Paul Ryker』を再構成した作品で、監督はバズ・キューリック、主演はリー・マーヴィンとブラッドフォード・ディルマンが務めました。

あらすじ

物語は朝鮮戦争下、米軍のライカー軍曹が、敵陣からの帰還後、スパイ容疑で逮捕されるところから始まります。ライカーは無実を主張しますが、彼に命令を下したチェンバース大佐は既に亡く、さらに脱走の疑いまでかけられてしまいます。

軍事裁判の結果、ライカーには絞首刑が宣告されます。しかし、検事役のヤング大尉は、弁護人の杜撰な弁護に疑問を感じ、ライカーの妻アンから夫の救済を懇願されます。ヤングは独自に調査を開始し、事件の真相に迫ろうと奔走します。

まず、ヤングはチェンバース大佐の遺品を調べますが、手がかりは見つかりません。次に、ウィンクラー曹長の協力を得て、チェンバースが埋葬されているはずの棺を調べたところ、中身が空であることに気づきます。不審に思ったヤングは、ベイリー将軍にライカーの処刑延期と再審を求めます。

再審が始まり、検事のウィテイカー少佐は、ライカーが敵地で共産軍の将校の服装をしていたこと、共産軍の将軍との関係があったことなどを証拠として提示します。さらに、ライカー自身が証人台で正気を失い、裁判所や祖国を罵倒する事態となり、裁判はライカーにとって不利な状況へと進んでいきます。

しかし、ウィンクラー曹長が証言台に立ち、チェンバースが部下に極秘命令を出す際、記録を残さないことが多かったと証言します。さらに、ウィンクラーの手帳から、メリアム大佐の愛人がスパイであったことが判明し、事態は急展開を迎えます。

これらの証拠から、最終的にライカーは無罪を勝ち取ります。

映画の見どころ

法廷劇としての緊張感: スパイ容疑をめぐる緊迫した法廷での攻防は見ごたえがあります。
リー・マーヴィンの演技: 主演のリー・マーヴィンは、無実を訴える軍曹の苦悩を見事に演じています。
* どんでん返しの展開: 二転三転するストーリー展開は、観る者を最後まで飽きさせません。

『裏切り鬼軍曹』は、正義とは何か、真実とは何かを考えさせられる、見応えのある戦争ドラマです。

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