補助金及び相殺措置に関する協定

補助金及び相殺措置に関する協定

補助金及び相殺措置に関する協定（通称相殺措置協定）は、1979年の東京ラウンドで合意された重要な国際協定で、1994年のウルグアイラウンドで改定されています。これは、1995年に設立された世界貿易機関（WTO）の設立協定にも組み込まれており、国際貿易における補助金の扱いや相殺措置の透明性を高めることを目指しています。

協定の目的

協定の主な目的は、貿易における歪曲効果をもたらす危険性のある補助金を禁止・制限し、それに対する対策として相殺関税の発動手続きを明確に設けることです。補助金は、国家が経済政策を実行するための手段として、さまざまな形式（例：直接の贈与や税の減免、低利融資など）で支給されています。しかし、このような補助金は、国際貿易において競争を不公正にする可能性があるため、国際的な規制が求められています。

補助金の種類と規制

この協定では、補助金を以下の3つのカテゴリーに分類し、それぞれについて異なる規制が設けられています。

1. 禁止される（レッド）補助金: これには、輸出補助金や特定の国内産品を優遇する補助金が含まれます（第3条）。
2. 相殺関税発動の対象とならない（グリーン）補助金: 研究助成金、地域開発補助金、環境保全に関連する補助金など、特定の条件を満たす補助金がこれに該当します（第8条、第9条）。
3. 相殺関税の対象となりうる（イエロー）補助金: このカテゴリには、特定の条件を満たさない補助金が含まれます。さらに、これらの補助金に対する規定は、過去の特例措置がありましたが、今は失効しています。

相殺関税の賦課

相殺関税の賦課に関わる規則は、アンチダンピング関税の制度と非常に似ています。これは、課税に関する要件や調査手続き、賦課期限、課税水準、及び見直し手続きなどを規定しています。日本国内では、相殺関税の賦課は、「関税定率法」に基づき法整備されています。これにより、補助金による不正な競争から国内産業を保護する仕組みが作られています。

まとめ

補助金及び相殺措置に関する協定は、国際貿易において安定したルールを確立し、不公正な競争を防ぐための重要な手段です。各国はこの協定を遵守し、適正な貿易環境を維持することが求められています。国際的な貿易の健全な運営を支えるために、このような法的枠組みは重要な役割を果たしています。

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