襟

襟・衿について

襟（えり）は、衣服の首を取り囲む部分であり、英語では「カラー（collar）」に相当します。この用語は、服飾の歴史とともに様々な形状や機能を持つように進化してきました。

歴史的背景

襟の起源については、古代の衣服の縁を表す言葉である江馬務の見解から、衣服の文化が古代中国で発展していたとされます。また、襟を表す漢字「襟」と「衿」には独自の意味があります。一方、英語の「カラー」は、首に巻く円筒状のものを指し、古代エジプトではこのアイテムが重要な装飾品とされていました。襟は、14世紀後半の西洋による衣服の発展の過程で、立体裁断技術が向上する中で次第に複雑化しました。

襟の機能と装飾

襟は気候や地域に適応し、その形状やデザインが変化してきました。衣服の首元は、対話時に他者の顔の次に目に入りやすい場所であるため、装飾が施されることが多く見受けられます。また、軍服においては、襟に階級章を付け加えることがあります。これに対し、議員の記章など社会的地位を示すバッジが襟に取り付けられることもあります。

襟の構造

襟の構造は、襟腰と襟幅に分けられます。襟腰は、折り返された襟が首に沿って立ち上がる部分を指します。襟幅は、`立ち襟`や`折り襟`における異なる定義を持つ場合もあります。襟の構造上の分類には、立ち襟、折り襟、開き襟が含まれ、それぞれ異なるスタイルのデザインが求められます。こうした分類には詰襟やスタンドカラーなど、多くのバリエーションが存在します。

襟の種類

1. 立ち襟: 立体的な構造を持つため、スタンドカラーやマンダリンカラーなどが該当します。
2. 折り襟: 折り返されている襟で、ロールカラーやポロカラーなどが一般的です。
3. 開き襟: テーラードカラーやウィングカラーがこのカテゴリーに含まれ、独特のデザインが特徴です。

また、ワイシャツやポロシャツなどには、立ち襟と折り襟が組み合わさった台襟が取り入れられています。その他、ショールカラーやセーラーカラーなども、立体的または平面的に分類されることがあります。これらの襟のデザインは、着用者のスタイルやシチュエーションによって多様な表現が可能です。

衣服の種類と襟

ワイシャツの種類には、ポロカラーやレギュラーカラー、ワイドカラーなどがあり、それぞれのデザインによって襟の形状が異なります。また、和装においても、地衿や掛衿、半衿といった襟のスタイルが存在します。さらに、ボートネックやUネック、Vネックなどの特徴的な襟も、衣服のスタイルに応じて選ばれることがあります。

このように、襟は衣服の重要な要素であり、歴史的な背景や機能、装飾的役割を持ちながら、常に進化を続けている部分といえるでしょう。装飾性や実用性を兼ね備えた襟は、今後も様々な形で私たちの衣服に取り入れられていくことでしょう。

もう一度検索