西京ライブドア銀行

西京ライブドア銀行の設立構想

株式会社西京ライブドア銀行は、山口県周南市に本店を構える第二地方銀行の西京銀行と、インターネット関連企業であるライブドアが共同で出資し、東京都中央区での設立を計画していたネット専業銀行の準備会社です。この銀行の設立は、両者の戦略的な動きが背景にありました。

西京銀行の展開

西京銀行は、2004年7月に東京本部を設置し、全国展開を視野に入れて金融サービスを強化していました。インターネットの活用を進める中で、新しい形の銀行を作ることを目指していました。一方、ライブドアも証券業に参入し、銀行業界への進出を検討していました。ライブドアは過去にイーバンク銀行との提携を持っていましたが、関係が悪化し提携を解消。そのため新たなパートナーを必要としていました。

提携の実現

2005年1月24日、両者は新銀行設立に関する構想を公表し、同年3月7日には業務提携を締結しました。この発表は金融業界に大きな衝撃を与えました。出資比率は西京銀行が51％、ライブドアの子会社が49％という形で、銀行免許の取得を容易にするためとも言われていました。しかし、ライブドアの旧経営陣が逮捕されたことを受け、銀行業免許の取得が難しくなる事態が生じました。

破綻した構想

その結果、2006年3月29日に両者は業務提携を解消し、西京ライブドア銀行の設立構想は僅か1年余りで消滅しました。また、西京銀行は金融庁からの行政処分を受け、経営戦略の見直しを余儀なくされました。2006年6月には頭取が辞任し、東京本部の縮小が行われ、2008年には東京支店の移転と名称変更により事実上の撤退を果たしました。

注目を集めた異色のコラボ

両者の提携当時、ライブドアの株式取得などでメディアの注目を浴びていたため、この異色のコラボレーションが様々な業界から注目されました。インターネット関連企業と既存の銀行との融合による新たな銀行設立の試みは、後に他の金融機関でも類似の動きが見られるようになりました。

その後の展開

西京銀行は、その後、かつてライブドアに在籍していた藤澤信義が経営するJトラストとの関係を密にし、Jトラストに対して2.44％の出資を行う大株主と成りました。また、Jトラストの完全子会社である日本保証との間で多数の提携商品も展開しています。

関連項目

西京ライブドア銀行の設立構想は、インターネット専用銀行の先駆けでもありました。以降も、楽天やPayPay銀行、GMOあおぞらネット銀行など、IT企業との提携による銀行設立が進められることとなります。これらの事例は、金融業界における新しいビジネスモデルを生むきっかけとなっています。

西京ライブドア銀行の構想の消滅は、金融業界におけるビジネスの流れを変える一つの事例として注目されており、今後の銀行業界の発展にも影響を与えるでしょう。

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