西光寺 (船橋市)

西光寺は、千葉県船橋市坪井町に所在する真言宗豊山派の寺院です。その歴史は古く、坪井町が開拓された平安時代にまで遡ります。1230年（寛喜2年）に薬師如来が作られるまでの間に、近隣の貞福寺（現在の八千代市）の末寺として創建されたと伝えられています。

創建当初の本尊は薬師如来でしたが、昭和39年頃に再建された際に、その碑も建立されました。現在では、足利時代に作られたとされる如意輪観世音が祀られています。この如意輪観世音は、長きにわたり西光寺の歴史を見守ってきた存在です。

西光寺は、戦国時代には近くにあった坪井城とも深く関わっていました。寺の裏手にある高い土手は、戦時中には身を隠す場所として利用されたという伝承も残っています。このことから、西光寺は地域の歴史において重要な役割を果たしていたことが伺えます。

江戸時代には、西光寺の境内には多くの墓石が建立され、安永、寛政、文化といった年号が刻まれています。これらの墓石は、当時の西光寺が地域の人々にとって重要な場所であったことを示しています。

また、西光寺には阿弥陀堂も現存しており、江戸時代末期から始まった吉橋組大師巡りでは、本堂が第十七番札所、阿弥陀堂が第四十六番札所として定められました。このことからも、西光寺が地域の人々の信仰を集めていたことがわかります。

西光寺には、薬師如来の秘仏が所蔵されています。この秘仏を拝むと、目の病気が治ると言い伝えられており、多くの参拝者が訪れています。西光寺は、古くからの歴史と信仰を受け継ぐ、地域にとって大切な寺院です。

参考文献
「資料館だより第45号 坪井」船橋市郷土資料館、昭和63年12月15日発行
「坪井町の森」滝口昭二　宮本公民館　平成9年11月8日発行
* 「坪井町の民家」船橋市教育委員会　昭和57年3月31日発行

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