西光寺野台地

西光寺野台地

西光寺野台地は、兵庫県姫路市と神崎郡福崎町にまたがる、市川とその支流である平田川に挟まれた場所に位置する、東西に細長い馬の背の形をした広大な台地です。その面積は約400ヘクタールに及びます。

歴史

江戸時代には姫路藩の狩場として利用されていました。その後、姫路藩家老の河合道臣が溜池を築き開拓を試みましたが、災害により崩壊し、長らく放置されていました。水利に恵まれなかったため、畑作や放牧が中心でした。明治時代に入り、灌漑用水を引く計画が持ち上がり、岡部川から取水する疏水が建設されました。1914年に完成した疏水は、総延長8.8キロメートルに及び、大小様々なため池を整備し、200万立方メートルを超える貯水量で台地の灌漑を可能にしました。

ため池群

西光寺野台地には、桜池、長池、西ヶ首池など、数多くのため池が存在します。これらのため池は、疏水路とともに台地の農業を支える重要な役割を果たしてきました。2010年には、「西光寺野台地のため池群」として農林水産省のため池百選に選定されています。

交通の要所

明治時代には、生野銀山と飾磨港を結ぶ銀の馬車道が開通し、台地の開発を促進しました。現代においても、中国自動車道と播但連絡道路が台地を分断するように走り、福崎ジャンクション・インターチェンジが設置されるなど、交通の要所となっています。

近代化産業遺産

2008年には、ため池群と疏水路が「西光寺野疏水路関連遺産」として近代化産業遺産の認定を受けました。これは、西光寺野台地が日本の近代化に果たした役割を示すものです。

市民の憩いの場

現在、西光寺野台地では、疏水やため池、瓦工場などの史跡を巡るウォーキングイベントが開催されています。また、日常的に市民のウォーキングやジョギングコースとしても利用され、親しまれています。

交通アクセス

鉄道：JR播但線福崎駅または溝口駅下車
道路：兵庫県道218号西田原姫路線が並走

西光寺野台地は、豊かな自然と歴史が調和した、市民にとってかけがえのない場所です。農業を支える灌漑施設としてだけでなく、人々の憩いの場として、これからも大切に守り続けられていくことでしょう。

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