西内町

香川県高松市の都心部に位置する町丁、西内町（にしうちまち）は、郵便番号〒760-0022を持ち、町域全域が住居表示に関する法律に基づく実施地区として整備されています。その名称は、昭和初期にこの町が生まれた際、当時存在した「内町」の西側に位置していたことに由来すると言われています。

地理的に、西内町は高松市役所からわずか0.5kmという近距離にあり、高松市の中心部を構成する重要な一画を占めています。町の区域は、北側を「さぬき浜街道」（瀬戸大橋通り）という主要幹線道路に面しており、西側は県道173号高松停車場栗林公園線によって明確に区切られています。南は兵庫町と接し、東側は寿町の裏手に位置しています。町内は、四国地方において最大の都市である高松市の中心業務地区（CBD）の一部を形成しており、多くの全国規模の企業や、様々な分野の組合・団体の事務所が集積しています。特に、高松高等裁判所が比較的近い場所にある影響から、司法書士事務所や弁護士事務所といった法曹関連の事業所が多く見られるのが特徴です。

2010年に実施された国勢調査のデータによると、西内町の人口は315人で、その内訳は男性179人、女性136人でした。世帯数は200世帯に上り、町全体の面積は約3万7399.73平方メートルを占めています。このデータに基づけば、人口密度は1平方キロメートルあたり約8422.5人となります。教育面においては、公立の小中学校に通う児童生徒の場合、西内町の全域が新番丁小学校および紫雲中学校の校区に含まれています。都市計画法に基づく用途地域としては、町域の全てが商業地域に指定されており、建築物の容積率は400%に定められています。これは、都心部としての高度な土地利用が図られている区域であることを示しています。

西内町の歴史は、昭和初期の町成立にさかのぼりますが、その土地が市街地となる過程はさらに古くから始まります。町が正式に誕生したのは1928年（昭和3年）のことで、これは当時の内町および新湊町一丁目から四丁目の各一部を再編成して新たに設けられました。町名の由来は前述の通り、「内町の西」にあったためです。江戸時代、この地域は高松城の防御施設である総曲輪の最も外側の堀、すなわち外堀の内側に位置しており、藩の重臣たちが居を構える重要な屋敷地でした。明治時代に入り、1899年（明治33年）にはこの外堀が埋め立てられたことで、広大な土地が生まれ、宅地開発が進んで近代的な市街地へと姿を変えていきました。しかし、太平洋戦争末期の1945年（昭和20年）7月4日未明に実施されたアメリカ軍による大規模な無差別爆撃、通称「高松空襲」では、西内町の区域も壊滅的な被害を受け、町の大部分が焼き尽くされました。戦後の復興を経て、町の境界線には幾度かの変更がありました。特に、1958年（昭和33年）には町域の一部が隣接する寿町一丁目および二丁目へ編入される一方、寿町の一部が西内町に編入されるという調整が行われました。その後、1969年（昭和44年）には再び寿町一丁目および二丁目の区域が西内町へ編入されるという複雑な経緯をたどっています。

西内町には、その中心業務地区としての性質を反映して、様々な業種の施設や企業の事業所が所在しています。以下に主な施設の一部を列挙します。

香川県製粉製麺協同組合
財団法人かがわ海外交流財団
高松北警察署
日本軌道工業大阪営業所四国事務所
香川県不動産鑑定士協会
四国たばこ販売協同組合連合会
高橋石油 サンポート高松
日本コンクリート工業四国支店
千代田興産四国支店
西日本自動車共済協同組合香川県支部
財団法人鉄道弘済会四国支部
平安閣西内町パーキング
香川県高等学校教育振興会
久保田工務店
香川県鋼構造協同組合
ダイアパレス西内町
* 竹中工務店四国支店

このように、西内町は高松市の地理的中心に位置し、歴史的な変遷を経て、現代においては多くの事務所が集まる業務地区として重要な役割を担っています。

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