西南極氷床

西南極氷床について

西南極氷床（West Antarctic Ice Sheet、略称：WAIS）は、南極大陸の重要な構成要素であり、主に南極の西部地域を覆っています。これにより、氷床は南極横断山脈の西側に位置し、乗っている岩盤は海面下に広がる地形に基づいています。氷床はその最端にて、氷河として海に流れ込み、棚氷を形成しています。ロス棚氷とロンネ棚氷がその代表です。

体積とアイソスタシーの影響

南極全体の氷床の体積は約25.4百万立方キロメートルですが、西南極氷床はその内2.2百万立方キロメートルと、全体の10%以下に過ぎません。興味深い点は、氷が載る岩盤が0.5から1キロメートルほど沈んでいることで、これをアイソスタシーと呼びます。この原理により、氷の重みが地盤に影響を及ぼし、氷床自体も変形しつつ流動的になります。特に内陸部の氷は、ざらついた岩の上を遅い速度で移動し、最終的には海に流入します。

温暖化の影響

西南極氷床はこの数十年で明らかに温暖化しています。50年あまりの間に、10年ごとに約0.1度以上の温暖化が観測されており、特に冬と春にこの変化が顕著です。同時期に東南極が寒冷化する影響も見受けられ、この現象は主に1980年代から1990年代にかけてのものです。

南極全体の表面温度は1957年以降、10年ごとに0.05度以上上昇する傾向があり、特に南極半島での温暖化が最も激しいとされています。これにより、氷床の安定性に影響が出ていることが懸念され、将来的な海面上昇への貢献が指摘されています。

氷河や関連項目

西南極氷床に関する詳細な情報は、多くの研究にも取り上げられており、氷河の一覧や東南極氷床との関連性についても考察されています。特に温暖化に伴う変化は、今後の地球規模での影響を考慮する上で無視できない要素です。

まとめ

西南極氷床は、複雑な構造と動態を持ちながら地球環境に大きな影響を与える重要な地域です。温暖化の進行とともに、氷床がもたらすリスクや自然環境の変化についての理解がますます求められています。これに関する研究やデータも増加しており、今後のモニタリングとともに、その結果をしっかりと把握していくことが必要です。

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