西吉田酒造

西吉田酒造株式会社

福岡県筑後市に蔵を構える西吉田酒造株式会社は、1893年（明治26年）の創業以来、焼酎一筋に歩んできた専門蔵です。福岡県南部に広がる豊かな穀倉地帯という恵まれた立地を活かし、高品質な焼酎製造を手がけています。特に、麦焼酎の代表的な銘柄である「つくし」は広く知られており、同社の名を高めています。

沿革

同社の歴史は、明治26年（1893年）1月、吉田又平氏が「吉田焼酎製造所」として創業したことに遡ります。創業の地である福岡県南部の穀倉地帯は、当時から酒造りが盛んな地域であり、特に米を原料とする日本酒の製造過程で生じる酒粕を用いた「粕取り焼酎」の製造が地域の特色の一つでした。吉田焼酎製造所も、創業当初はこの粕取り焼酎を手がけていたとされています。

戦後の混乱期を経て、組織体制を強化するため、昭和34年（1959年）に株式会社へと改組。これを機に社名を「西吉田酒造株式会社」と改め、新たなスタートを切りました。以来、時代の変化に対応しながらも、焼酎造りの伝統を守り続け、品質向上と新たな製品開発に注力してきました。

製品ラインナップ

西吉田酒造株式会社が手がける製品の中心は、やはり焼酎です。中でも、麦焼酎の代表銘柄である「つくし」は、多くの愛好家から親しまれています。「つくし」には、異なる個性を持つ「白ラベル」と「黒ラベル」があり、それぞれの製法や貯蔵方法によって独特の風味が生まれています。これらの製品は、選び抜かれた麦を原料に、長年培われてきた技術と丁寧な手仕事によって醸し出されています。

また、「つくし」以外にも、個性豊かな焼酎を製造しています。

• - 麦焼酎 釈云麦（じゃくうんばく）: 特徴的な銘柄として知られる麦焼酎です。
• - 純米焼酎 和泉の杜: 米を原料とした純米焼酎も製造しており、麦焼酎とは異なる米由来のふくよかな香りと味わいが楽しめます。

これらの製品は、同社の焼酎造りに対する情熱と、多様な味わいを追求する姿勢を示しています。

新たな挑戦

伝統的な焼酎造りを核としながらも、西吉田酒造株式会社は時代のニーズに応える新しい試みにも積極的に取り組んでいます。その一例として、平成20年（2008年）には、福岡県が誇る特産品であるブランドいちご「あまおう」を用いた「いちご酢ドリンク」の開発・販売に着手しました。これは、地域の農産物を活用し、健康志向の高まりにも対応した製品であり、同社の多角的な事業展開の一端を示しています。

会社情報

• - 本社所在地: 福岡県筑後市和泉612
• - 代表者: 代表取締役社長 吉田元彦

まとめ

西吉田酒造株式会社は、明治時代から続く長い歴史を持つ焼酎蔵として、福岡県筑後市の地で焼酎造りを続けています。創業以来、品質へのこだわりと、地域の恵みを最大限に活かした製品造りを貫いてきました。看板銘柄「つくし」をはじめとする多様な焼酎製品は、同社の技術力と情熱の結晶と言えるでしょう。伝統を大切に守りながらも、新しい製品開発にも挑戦する同社の今後の歩みから目が離せません。

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