西園寺公遂

西園寺公遂（さいおんじ きんすい）は、江戸時代前期に活躍した公卿です。官位は従三位・左近衛中将にまで昇りました。

経歴

公遂は、西園寺家を継ぐまでに複雑な経緯がありました。父である西園寺実晴の血を引く公満と公宣、そして公満の息子である実尚が、いずれも早世や若くして職を辞したため、思わぬ形で彼に家督を継承する機会が巡ってきたのです。寛文11年（1671年）に叙爵されると、その後は順調に昇進を重ね、延宝5年（1677年）には従三位に叙せられ、ついに公卿の仲間入りを果たしました。しかし、その翌年、わずか16歳という若さでこの世を去りました。

公遂の死は、西園寺家に深刻な後継者問題を引き起こしました。相続人がいなくなったため、苦肉の策として、関白鷹司房輔の次男である実輔を、公宣の娘である安姫の婿養子に迎えることによって、西園寺家の家名を存続させることになりました。しかし、皮肉なことに、この実輔もまた早世するという悲劇に見舞われました。

系譜

父：西園寺実晴
母：不詳
妻：無
養子：西園寺実輔（実父は鷹司房輔）

西園寺家について

西園寺家は、代々朝廷に仕えた名門公家であり、その歴史は長く、多くの人物が歴史の舞台で活躍しました。公遂もまた、その系譜を受け継ぐ一人として、短い生涯ながらもその名を歴史に刻みました。

関連項目

* 西園寺家

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