西大寺市

西大寺市の概要

西大寺市（さいだいじし）は、かつて岡山県の南部に位置していた市です。1969年の2月18日に岡山市に編入され、行政上は廃止されましたが、現在は岡山市東区の西大寺地域として存続しています。東区役所がこの地域に設置されており、当時の名残を感じることができます。

歴史

古代・中世

古代において、西大寺市の地域は備前国の一部として知られ、吉井川の両岸には可知郷や居都郷などが存在したと考えられています。やがて荘園が発展し、金岡庄という広大な荘園が形成されました。この金岡庄には東庄と西庄の二つがあり、現代においても金陵山西大寺（観音院）周辺はその東庄に該当します。金陵山西大寺は、創建が天平勝宝3年にさかのぼるとされ、その名は『観音院文書』において「備前西大寺」として初めて登場しました。

戦国時代

戦国時代には、西大寺観音院を中心に町が形成され、周囲には多くの商人が集まりました。特に宇喜多秀家が岡山城を築城したことをきっかけに、城下町の発展を促し、西大寺村は商業的に繁栄しました。この時期には商人が多く岡山へ移住し、現在の表町にはその名残をとどめた地名が存在します。

江戸時代

江戸時代になると、西大寺門前町の商業はさらに発展し、岡山藩において商人たちの酒造業が公認されるほどの盛況を呈しました。西大寺南隣の金岡村は、港町としても知られ、物資の集積地として栄えていました。干拓事業も盛んに行われ、広大な農地が開発されていきます。特に江戸時代前期には、さらなる干拓が行われ、新田が開発されていきました。

近代

明治時代に入ると、経済的な変化が訪れます。第29年には西大寺紡績が設立され、その後も数多くの工場が地域に進出しました。交通網の整備も進み、明治12年には永安橋が完成、これにより交通の便が向上しました。

西大寺市の設立と岡山市への編入

1949年、複数の町村が合併し新たに西大寺市が設立されます。その後、1969年には岡山市との統合が決定され、16年間の市政に幕を閉じました。市庁舎は、後に西大寺支所として残り、岡山市においても重要な役割を果たしています。

行政の変遷

昭和21年に岡山市が政令指定都市に移行し、現在は東区の一部として地域が形成されています。地域発展のための政策も推進され、新たな発展に向けて進行中です。また、交通や産業の発展は、地域の歴史や文化に大きな影響を与え続けています。

このように、西大寺市は豊かな歴史を有する地域であり、その記憶は今もなお岡山市の一部として息づいています。

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