西尾哲茂

西尾哲茂（にしお てつしげ）氏は、1950年生まれの日本の環境官僚です。大阪府大阪市出身で、灘高等学校を経て、1972年に東京大学法学部を卒業後、環境庁に入庁しました。

環境庁では、1982年に富山県知事公室主幹、1986年に環境庁長官官房総務課広報室長、1988年に公害健康被害補償予防協会基金事務部長などを歴任しました。その後、1991年には環境庁大気保全局大気規制課長、1995年には環境庁水質保全局企画課長、1996年には環境庁長官官房秘書課長と、要職を歴任しています。

1999年には環境庁企画調整局環境保健部長に就任し、2001年には環境省自然環境局長、同年に環境省環境管理局長と、環境行政の中核を担いました。2004年には環境省大臣官房長、2006年には環境省総合環境政策局長を務め、2008年には環境事務次官に就任しました。旧環境庁の生え抜きとして初めて事務次官に就任したことは、環境行政における大きな出来事として注目されました。

2009年に環境省を退官後は、2010年に早稲田大学大学院環境・エネルギー研究科教授、2011年には明治大学法学部教授として、後進の育成に尽力しています。環境問題に関する幅広い知識と経験を活かし、次世代を担う人材の育成に貢献しています。2020年には、長年にわたる環境行政への貢献が評価され、瑞宝重光章を受章しました。

西尾氏は、環境問題に関する著書も多数執筆しており、専門家だけでなく一般の人々にも環境問題への理解を深めることを目指しています。

主な著書として、『環境法大系』（新美育文, 松村弓彦, 大塚直共編, 共著）商事法務 2012年、『わか～る環境法』信山社 2017年、増補改訂版 2019年、『この本は環境法の入門書のフリをしています』信山社 2018年、『ど～する海洋プラスチック : 速報とにかく早いのが取り柄 : 海洋プラスチック問題に一番乗り！！』信山社 2019年などがあります。

これらの著書を通して、西尾氏は、環境法や環境問題に関する専門的な知識を分かりやすく解説し、読者が環境問題について深く考えるきっかけを提供しています。特に、海洋プラスチック問題など、現代社会における喫緊の課題に対して、積極的に情報発信を行っている点が特徴的です。

西尾哲茂氏は、環境官僚としての豊富な経験と、大学教授としての教育活動を通じて、日本の環境政策の発展と環境問題への意識向上に大きく貢献している人物と言えるでしょう。

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