西岡久雄

西岡久雄（1926年3月25日 - 2015年8月24日）は、日本の著名な地理学者であり、特に経済地理学の分野で多大な貢献をしました。彼の専門は立地論と地域経済であり、その研究は学術界に大きな影響を与えました。西岡は、青山学院大学の名誉教授であり、同大学で長年にわたり教鞭を執り、多くの学生を育成しました。

奈良県出身の西岡は、1948年に東京帝国大学経済学部を卒業し、1955年には東京大学大学院経済学研究科で経済地理学を修了しました。その後、1957年に青山学院大学経済学部の専任講師として教職に就き、1962年には助教授、1967年には教授に昇進しました。1985年には経済学部長および経済研究所所長に就任し、1987年から1991年まで学長を務めるなど、大学運営にも深く関与しました。1989年から1990年には青山学院院長代行も務めました。

1994年に青山学院大学を定年退職後、名誉教授の称号を受け、駿河台大学の教授に就任し、2001年まで教鞭を執りました。1980年には、「立地と地域経済 経済立地政策論」と題する論文で、青山学院大学から経済学博士の学位を授与されました。

西岡は、数多くの著書を執筆しており、それらは経済地理学の分野における重要な文献として広く読まれています。主な著書には、『立地と地域経済 経済立地政策論』（1963年）、『地域間所得較差の研究』（1966年）、『経済立地の話』（1968年）、『経済地理分析』（1976年）、『立地論 経済地理学基礎セミナー』（1988年）などがあります。また、共編著として、『基本人文地理学』（1961年, 1981年）、『経済地理学』（1965年）、『経済立地論の新展開』（1973年）、『パーソナルコンピュータのためのCP/M入門』（1982年）、『産業空間のダイナミズム 構造再編期の産業立地・地域システム』（1990年）などがあります。

さらに、西岡は海外の著名な経済地理学者の著作を翻訳し、日本の学術界に紹介しました。主な翻訳書には、エドガー・M.フーヴァーの『経済立地論』（1968年）、ブライアン・J.L.ベリーの『小売業・サービス業の地理学 市場センターと小売流通』（1970年）、メルヴィン L.グリーンハットの『工場立地 理論と実際』（1972年）、レスリー・J.キングの『地域の統計的分析』（1973年）、W.アイサードの『地域科学入門』（1980-1985年）、デーヴィッド・M.スミスの『工業立地論 理論と応用』（1982-1984年）などがあります。これらの翻訳を通じて、西岡は日本の経済地理学研究の発展に大きく貢献しました。

西岡久雄の学術的な功績を記念して、『観光と地域開発』と題する論文集が、古希を記念して出版されました。これは、彼の研究が、学術界に与えた影響の大きさを物語っています。

西岡久雄は、経済地理学の分野において、理論と実践の両面で重要な貢献を果たした人物として、その名前は長く記憶されるでしょう。

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