西岡公園

西岡公園

西岡公園は、札幌市豊平区にある自然豊かな公園です。その中心となるのは、月寒川を堰き止めて造られた旧西岡水源池です。この公園は、バードウォッチングや自然観察のスポットとして親しまれており、訪れる人々に四季折々の美しい自然を提供しています。

自然観察とアクティビティ

公園内には、湿原が広がっており、春にはミズバショウが咲き誇ります。また、夏にはヘイケボタルやトンボなど、様々な昆虫を観察することができます。これらの動植物は、季節によって異なる表情を見せてくれるため、いつ訪れても新しい発見があるでしょう。さらに、公園では4月下旬から10月までの毎週金曜日に、公園スタッフによるガイドウォークが開催されています。専門家の解説を聞きながら園内を散策することで、より深く自然を理解することができるでしょう。冬には、積雪を利用した歩くスキーコースが整備され、雪景色の中でアクティブに楽しむことができます。

歴史

西岡公園は、1977年（昭和52年）に、1972年の札幌オリンピックのクロスカントリー会場であった真駒内距離競技場跡地の一部を整備して誕生しました。その後、1989年（平成元年）には、西岡水源池が「ふるさといきものの里百選」に選定され、その自然環境の価値が認められました。2001年（平成13年）には、旧西岡水源池取水塔が国の登録有形文化財となり、歴史的な建造物としての価値も認められています。2009年（平成21年）には、公園の種別が特殊公園に変更され、2015年（平成27年）には管理事務所がリニューアルされました。

西岡水源池

西岡水源池は、1909年（明治42年）に大日本帝国陸軍第7師団歩兵第25連隊の軍用水道（月寒水道）として通水を開始したのが始まりです。北海道内では、函館（1889年）、岩見沢（1908年）に次ぐ古い水道施設です。水道管の上に作られた維持管理用の道路が、現在の水源池通りの前身となっています。1940年（昭和15年）から翌年にかけては、取水塔から浄水場までの導水管が設置され、濾過池や配水池が増設されました。これにより、陸軍施設だけでなく、月寒種畜牧場や月寒小学校にも給水が行われるようになりました。戦後の1949年（昭和24年）には、豊平町（当時）が北海道財務局から月寒水道の無償貸与を受け、一般家庭への給水も開始されました。その後、1961年（昭和36年）に豊平町が札幌市と合併し、翌年には水道施設が無償譲渡されました。1971年（昭和46年）に白川浄水場が完成し、翌年には豊平峡ダムが完成したため、西岡浄水場（月寒水道）は廃止され、その跡地が公園として整備されました。

取水塔

西岡水源池の取水塔は、内径1.5m、高さ6.6mの円柱状のレンガ造りで、陸軍技師の井上二郎が設計しました。国の登録有形文化財に指定されており、その歴史的価値を物語っています。かつては、塔まで渡ることのできる橋がありましたが、現在はなくなっています。

西岡公園は、豊かな自然と歴史的建造物が共存する、訪れる人々に安らぎと学びを提供する場所です。バードウォッチング、自然観察、歴史散策など、さまざまな楽しみ方ができます。

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