西嶋亮太

西嶋 亮太

西嶋 亮太（にしじま りょうた）は、1996年4月10日に北海道帯広市で生まれた、日本の元社会人野球選手です。ポジションは投手でした。

少年時代から中学時代

野球との出会いは小学1年時。中学時代には、帯広市立帯広第六中学校の軟式野球部に所属しながら、硬式野球のクラブチーム「とかち帯広シニア」でプレーしました。わずか12人という部員数ながら、投手としてチームを牽引し、全道大会で準優勝を成し遂げる活躍を見せます。投手以外ではショートを守ることもありましたが、当時から道内の中学屈指の投手として知られ、その後の進路に大きな注目が集まりました。

高校時代

高校は、北海道内の野球強豪校として知られる東海大学付属第四高等学校に進学しました。在学中の2014年には夏の全国高等学校野球選手権大会に出場を果たします。特に記憶に残るのが、初戦で対戦した九州国際大学付属高等学校との一戦です。このチームには、後にプロの世界へ進む清水優心捕手や山本武白志選手らがいました。西嶋投手は、時に球速表示さえされないほどの「スローボール」を効果的に織り交ぜた緩急自在の投球で相手打線を翻弄。結果として1失点に抑え完投勝利を飾り、一躍大きな話題となりました。

続く2回戦では山形県立山形中央高等学校と対戦。この試合でも9回まで無失点に抑える力投を見せますが、味方の打線も相手投手に封じ込められ得点を奪えません。試合は延長戦にもつれ込み、延長10回に2点を失い（自責点0）、惜しくも敗退しました。この試合ではスローボールは1球しか投じませんでしたが、その1球が投じられた際にはスタンドから惜しみない拍手が送られました。高校時代のチームメイトには、後にプロ野球に進む今川優馬選手や、社会人野球で活躍する上野純輝選手らがいました。

社会人時代と現役引退

高校卒業後、西嶋投手は地元の社会人野球チームであるJR北海道に入社しました。目標は3年後のNPB入りでしたが、社会人野球では、精神的な要因から投球動作に影響が出るイップスに悩まされることになります。これにより、高校時代に誇っていた制球力を失い、苦しい時期を過ごしました。入社3年目の2017年には、内野手へと転向しましたが、翌2018年には再び投手登録に戻ります。しかし、同年8月に行われたTRANSYSとの試合に救援登板したものの、1回と1/3を投げて2失点と結果を残せませんでした。さらに、チームにとって同年の公式戦最終試合となった10月6日の試合では、出場選手登録から外れてしまいます。深く悩み抜いた末、西嶋選手は現役引退を決断。野球部からの退部を申し出て、それが認められました。

現役引退後の活動

現役引退後、西嶋氏はJR北海道を退職し、新たな道を歩み始めます。高校時代の先輩が経営する「株式会社東日本ハウジング」に入社し、営業職としてキャリアをスタートさせました。その後、インターネット関連機器の販売会社に転職し、現在も営業職として勤務しています。

会社勤務の傍ら、西嶋氏は野球への情熱を持ち続けています。2021年6月中旬からは、小樽双葉高等学校の外部コーチに就任。週末限定ではありますが、自身の経験を活かして高校生たちに投球術などの技術指導にあたっています。また、札幌軟式野球連盟に所属するC級の草野球チーム「ZEUS」で、自らも選手としてマウンドに上がり、プレーを楽しんでいます。現役生活では苦難も経験しましたが、形を変えて野球への関わりを続けています。

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