西川貴教のバーチャル知事

『西川貴教のバーチャル知事』概要

『西川貴教のバーチャル知事』（にしかわたかのりのバーチャルちじ）は、BSJapanextで2022年3月28日から2024年6月29日まで放送された地域創生バラエティ番組です。この番組では、多方面で活躍するアーティストの西川貴教が、番組内で設定された「バーチャル知事」というユニークな役割を担いました。

番組の主旨は、日本の地方が直面する様々な課題に焦点を当て、その解決策を探ることです。バーチャル知事に就任した西川は、「地域創生」という大きなテーマを掲げ、仮想空間ではなく、現実の地域社会が抱える具体的な問題を取り上げました。

番組の進行においては、有識者ゲストを招いた「地域創生会議」や、実際に現地を訪れる視察などを通じて、課題に対する深い理解を深め、解決に向けた方策を考案、提言するスタイルが取られました。取り上げられる課題は、主に西川自身の出身地であり、「滋賀ふるさと観光大使」も務める滋賀県に関するものでしたが、その内容は他の都道府県でも参考となるよう配慮されており、視聴者が自身の地元に対する愛着や誇りを改めて感じるきっかけとなることも目指されました。なお、バーチャル知事が特定のどの県の知事であるかは明確にされませんでした。

放送の歴史

番組は放送開始以来、時間帯を数回変更しています。初回放送の2022年3月28日から2022年12月26日までは、毎週月曜日の21時から22時に放送されていました。2023年1月2日の特番内で、同年1月21日からは毎週土曜日の21時から22時へと放送枠が移動することが発表されました。さらに、2023年7月2日からBSJapanextの土曜21時台がゴルフ関連番組の編成となったことに伴い、7月8日放送分からは毎週土曜日の22時から23時へと再び放送時間が変更されました。

また、番組の活動を通じて交流が生まれた滋賀県のローカル局であるびわ湖放送では、2023年9月8日より番組販売形式でのネット放送が始まりました。びわ湖放送では、毎週金曜日の13時から14時に放送されていました。

番組は2024年6月29日の放送をもって最終回を迎え、約2年3ヶ月の歴史に幕を閉じました。最終回は特に総集編的な内容ではなく、通常のロケ放送内で終了の挨拶が行われる形で締めくくられました。

出演者

番組の中心となったのは、以下のメンバーです。

バーチャル知事: 西川貴教
秘書: 松永安奈
* ナレーション: 近藤サト

「地域創生会議」には、様々な分野の専門家や有識者が「顧問」や「地域創世のプロ」としてゲスト出演し、活発な議論が展開されました。番組公式サイトなどで紹介されたメンバーは多岐にわたります。

具体的な取り組みとエピソード

番組では、滋賀県の様々な課題や魅力を取り上げました。例えば、ボートレースびわこや北びわ湖大花火大会といった、地域の主要な施設やイベントに関する議題が扱われ、後日、現地視察が実施されました。

• - ボートレースびわこ: 現地視察後、番組側からの提案であった「和式トイレの洋式化」や「券売機のキャッシュレス決済導入」といった改善策について、施設担当者から進捗状況の報告があり、実現に向けて動き出していることが伝えられました。
• - 北びわ湖大花火大会: コロナ禍における無観客のプレ開催時に、西川の楽曲に合わせて花火を打ち上げる「稲妻イグナイト」という特別な演目が実施され、番組の提案が具体的な形となりました。

視聴者との交流も積極的に行われました。特に、2022年6月13日の放送では、放送局の公式アプリ「つながるジャパネット」のリアルタイムコメント機能に、西川知事と松永秘書が直接書き込みを行い、視聴者と交流しました。この取り組みは、放送局から「開局以来最大の反響があった」と報告されるほど大きな注目を集めました。

また、番組はSNSを活用し、2022年8月22日には公式Twitterアカウント（@virtualchiji）が開設され、情報発信や視聴者との接点として活用されました。

地方局との連携もあり、2023年7月8日の放送回での取材時には、びわこ放送の番組「金曜オモロしが」の出演者も合流し、共同で取材を行う場面もありました。

さらに、2024年1月には、BSJapanextが同時期に開局したBS松竹東急、BSよしもとと共同で制作した特別番組に、西川がゲスト出演し、他局の出演者やオリックス・バファローズの選手と共演するなど、局の垣根を越えた企画にも参加しました。

『西川貴教のバーチャル知事』は、歌手としてだけでなく、地域活性化にも熱意を持つ西川貴教が、ユニークな視点から地方の課題に切り込み、具体的な提言を行うことで、視聴者に地域創生への関心を促した番組と言えるでしょう。

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