西弘美

西 弘美: 陸上界の名手と指導者

西 弘美（にし ひろみ、1952年7月10日生まれ）は、福岡県田川市で生まれた元陸上長距離選手であり、現在は指導者として後進を育てる役割を担っています。彼女の陸上競技の道のりは、実業団選手を経て大学での華々しい成績、そして指導者としての成功へと続いています。

軌跡の始まり

西は、福岡県の飯塚商業高等学校を卒業後、久留米井筒屋に就職し実業団選手として陸上競技に励みました。当時のチームは、駅伝メンバーを組めるかどうかという厳しい状況でありましたが、西は自己を磨くことを怠らず、全日本実業団駅伝では1972年と1973年に1区で区間賞を2年連続で獲得するという輝かしい成績を残しました。

大学での飛躍

1974年に日本大学へ進学後、西は箱根駅伝に4年連続で出場し、大学4年目には1区で区間新記録を樹立しました。大学での経験が彼女の陸上キャリアに大きな影響を与え、その後も実業団選手としての活動を続けます。ヤクルトや大昭和製紙を経て、スズキで現役を引退後にはコーチ・監督として再度陸上界に貢献しました。

教育の場へ

1994年には母校である日本大学のコーチに就任し、2001年には明治大学体育会競走部の長距離コーチへと移行しました。明治大学において、西はチームの再建を目指し、低迷していたチームを見事に立て直します。2005年、明治大学は14年ぶりに箱根駅伝に返り咲き、その後2012年には49年ぶりに総合3位に入り、2015年にも52年ぶりに往路2位を達成しました。

指導の厳しさと成果

指導者として、西はただ強い選手を育てるだけでなく、選手たちの人間性や精神面にも注力しました。過去に指導した選手も多く、その中には卒業後に名の知れた企業で活躍している選手たちが多くいます。特に、日本大学では山本佑樹や和田正人など、明治大学では幸田高明や岡本直己などが彼女の指導を受けました。彼女は選手たちに必要なスキルだけでなく、競技に対する姿勢や向き合い方も伝え、強い選手へと育て上げました。

挫折からの再起

しかし、すべてが順調だったわけではなく、2016年の箱根駅伝では14位とシード権を失い、2017年には過去ワーストタイの総合18位に終わるなど、厳しい時期が続きました。それでも、西はめげることなく、2018年には同部のスーパーバイザーに就任し、後任の駅伝監督に山本佑樹を指名しました。自身の経験を元に、次世代の指導へと意欲を傾ける姿勢は、多くの選手や後輩たちに影響を与え続けています。

結論

西 弘美は、陸上競技の選手としてだけでなく、指導者としても優れた功績を残してきました。彼女の果たした役割は、今日の陸上界にも色濃く反映されており、今後の発展が期待される存在です。

もう一度検索