久留米井筒屋

株式会社久留米井筒屋の歴史と変遷

株式会社久留米井筒屋は、北九州市に本社を置く百貨店グループ「井筒屋」の子会社です。元々、同社は福岡県久留米市と大牟田市に店舗を展開していましたが、現在は主に不動産管理を行っており、2018年12月に解散を発表しました。百貨店営業を行っていた当時は、日本百貨店協会に一社単独で加盟していました。

設立と初期の発展

久留米井筒屋は、1936年8月25日に資本金100万円で「株式会社旭屋デパート」として設立されました。これは、地元の資本によって久留米市初のデパートとして開店したもので、地元住民に長く愛される商業施設となりました。1962年に井筒屋との資本提携が結ばれ、社名は現在の「株式会社久留米井筒屋」に変更されました。

地域経済の中心としての役割

久留米井筒屋は、西鉄久留米駅前に出店した岩田屋と並び、久留米地域の中核的な百貨店として親しまれてきました。しかし、地域経済の衰退や競争の激化、特にダイエー六ツ門店の閉店や福岡市内の大型商業施設の台頭が影響し、業績は次第に悪化しました。その後、百貨店から専門店へと業態を変え、地域特産物を積極的に扱うなど地域密着のビジネスモデルにシフトしましたが、結局のところ業績回復には至らず、2009年2月28日に閉店となりました。

地元からの期待と撤退

久留米市六ツ門地区では、久留米井筒屋の閉店が地域商業に多大な影響を及ぼしました。地元からの存続要望もあり、当初は商業施設としての再開が検討されましたが、2009年3月に社内での採算が取れないとの判断から再開は断念され、久留米市から撤退することになりました。

その後の経緯

閉店後は、筑後地方のギフトショップの運営を継続し、顧客からの問い合わせには応じていましたが、その後井筒屋グループの再編に伴い、筑後ショップは閉鎖されました。その結果、久留米井筒屋は不動産管理が主な業務となり、2009年に営業活動を休止し、実質的に休眠会社となりました。2018年12月に解散と翌年2月の清算が決定しました。

解体と新たな再開発

百貨店の建物は閉店後しばらくの間空き家状態にありましたが、2011年3月から解体工事が進められ、跡地は新たな商業施設として再開発されました。最終的に、2016年には「久留米シティプラザ」という交流施設が開設され、地域の新たな拠点として機能しています。

閉鎖した店舗の概要

久留米井筒屋の主要店舗として、久留米店と大牟田店が存在しました。久留米店は、長年にわたりその地域で重要な商業施設としての役割を果たしてきましたが、大牟田店も地域の百貨店として親しまれていました。しかし、両店舗とも時代の変化に伴う商業の衰退により、最終的には閉店を余儀なくされました。大牟田店は2000年に閉店し、その跡地は一時的に別の店舗が運営されるなどしましたが、最終的には解体され、新たなマンション建設の計画が立てられていました。なお、2013年の時点では具体的な着工の目処は立っていませんでした。

まとめ

久留米井筒屋は、久留米地域の商業の歴史の中で重要な役割を果たしてきましたが、時代の変化により業態が変わり、最終的には解散という道をたどりました。地域密着のビジネスモデルを模索しつつも、経済環境の厳しさには抗えなかったと言えます。しかし、跡地の再開発により地域には新たな活気が生まれています。

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