西方寺 (豊島区)

西方寺（さいほうじ）は、東京都豊島区にある浄土宗の寺院です。

歴史

1622年（元和8年）、道蓮社正誉によって開山されました。当初は浅草聖天町（現在の東京都台東区浅草）に位置していましたが、1926年（大正15年）に現在の場所に移転しました。

浅草聖天町にあった頃の西方寺は、新鳥越橋の南詰という、吉原遊廓に近い場所に位置していました。そのため、遊女の投げ込み寺としても知られ、「土手の道哲」と呼ばれていました。この寺には、二代目高尾太夫の墓があります。高尾太夫は吉原遊廓で最も位の高い遊女である太夫であり、その墓があることは、この寺と遊女との深い関わりを物語っています。

また、この寺には、身を挺して薄雲太夫の命を救った猫の話など、遊女にまつわる様々な逸話が残されています。これらの逸話は、当時の遊女たちの悲哀や、彼女たちを巡る人間模様を今に伝えています。

墓所

西方寺には、以下のような著名人の墓があります。

二代目高尾太夫（吉原遊廓の太夫）
初代岡本宮古太夫（浄瑠璃太夫）

これらの墓は、この寺が歴史的に重要な場所であったことを示しています。

交通アクセス

都営地下鉄三田線西巣鴨駅より徒歩5分。

参考文献

伊藤栄洪、堀切康司 著『豊島区史跡散歩 (東京史跡ガイド16)』学生社、1994年

関連項目

* 吉原遊廓

西方寺は、その歴史と遊女たちとの関わりから、豊島区の歴史を語る上で重要な寺院の一つとなっています。現在では静かな寺院ですが、かつては遊女たちの悲哀を見つめてきた場所として、その歴史を今に伝えています。

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