西本幸雄

西本 幸雄

西本幸雄（にしもと ゆきお、1920年4月25日 - 2011年11月25日）は、和歌山県和歌山市で生まれたプロ野球選手であり、監督、コーチ、解説者としても活躍した人物です。選手時代は内野手として名を馳せ、都市対抗野球では監督を兼任しチームを優勝に導く活躍を見せました。その後、毎日オリオンズに入団すると、初の日本選手権シリーズに出場し優勝を果たしました。

経歴

現役時代

西本は裕福な家庭に生まれ、旧制和歌山中学校に進学。この時、彼は野球部に入ることなくラグビー部に所属していましたが、最終学年に野球部に加入。二塁手や一塁手として競技を続けました。高校卒業後、旧制立教大学に進学し、その後の学徒出陣により陸軍中尉まで昇進しました。終戦後は社会人野球の星野組に移籍し、選手兼任監督として都市対抗大会で勝利を収めます。この成功を受け、毎日オリオンズに加入し、選手としてのキャリアを築きました。

1950年から1955年にかけて活躍し、1952年には主将に就任、1954年からはコーチも兼任しました。55年に選手活動を引退した後も、オリオンズに残り監督やコーチとしての道を歩み始めました。

監督・指導者としての活動

オリオンズでは1956年から二軍監督、1959年にはヘッドコーチを経験。その後、1960年に監督に就任すると、ミサイル打線を結成し、チームをリーグ優勝へ導きますが、日本シリーズでは一度も優勝できず、「悲運の名将」として知られるようになりました。この時期、彼は厳しい指導を行い、選手たちの成長を促しました。

1961年には阪急ブレーブスの監督に就任し、ここでも厳しいトレーニングと戦術を展開し、チームを再構築。1967年には初のリーグ優勝を果たし、近鉄バファローズでも同様に指導力を発揮。結果的に、彼は8度のリーグ優勝を成し遂げることになりますが、いずれも日本一には至りませんでした。

特徴と影響

西本のチーム作りや選手育成の手法は高く評価され、彼の教えを受けた選手たちは多く名監督としても名を知られています。特に、選手に対する厳しさと情熱を兼ね備えており、選手たちからは深い信頼を寄せられていました。また、監督としての信任投票など独特のアプローチも話題になります。

晩年

監督を勇退後は、フジテレビやニッポン放送で解説者や評論家として活動し、長いキャリアを築きました。公の場には滅多に現れず、晩年は静かな生活を送りましたが、彼の存在は未だ多くのファンに記憶されています。

2011年11月25日、心不全により亡くなり、91歳の生涯を閉じました。その葬儀には多くの野球関係者が参列し、彼の功績を称えました。野球殿堂入りも果たし、その業績は語り継がれることでしょう。

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