西村直己

西村直己の生涯と業績

西村直己（にしむら なおみ、1905年10月8日 - 1980年7月28日）は、日本の内務官僚であり、政治家としても衆議院議員を務めた人物です。彼のキャリアは内務省での出発点から始まり、以降の政治活動まで多岐にわたりました。

学歴と初期キャリア

東京府に生まれた西村は、東京府立第四中学校および第一高等学校文科甲類を経て、1929年には東京帝国大学政治学科を卒業しました。彼はその後内務省に入省し、静岡県警察部長や警視庁保安部長などの重要なポジションを歴任。鈴木貫太郎内閣の秘書官や、官選の高知県知事も務めるなど、内務の中心的な役割を果たしました。中でも警視庁保安部長としての経験は、彼の政治キャリアに大いに寄与したと言えるでしょう。

議員としての活躍

1949年、彼は衆議院議員選挙に静岡1区から出馬し、見事初当選を果たしました。その後、連続で10回当選を遂げるという記録を持ちます。彼は衆議院の建設委員会や予算委員会の委員長を務めながら、党内でも影響力を持つ存在となりました。特に第2次池田内閣時には、防衛庁長官として初入閣するなど、政治キャリアの中で重要な役職を歴任しました。

物議を醸した発言

自由民主党政務調査会長、農林大臣として多くの要職を歴任した西村は、1971年に全日空機雫石衝突事故を受けて入閣しました。しかし、記者会見での発言が批判を招きます。「国連は田舎の信用組合みたいなもの」「中共が国連に入ってくればますます悪くなるかもしれない」「モルジブは土人国だ。あんなのだって票を持っている」と述べたことで、国連軽視や発展途上国軽視とされるような強い批判の声が上がりました。これにより、彼はすぐに辞任を余儀なくされました。

政界引退と晩年

1976年には政界を引退し、静かな余生を送りますが、1980年7月に心筋梗塞により74歳でこの世を去りました。彼の人生は、日本の中での官僚制と政治の関係を考える上で、多くの教訓を残しています。西村の業績や発言、影響力は、その後の日本の政治においても思い出されることでしょう。

著書

政治家としての経験を生かし、1954年には『モスクワの異風客』という著作を産業経済新聞社から出版しています。

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