西村進

西村進（にしむら すすむ）

生涯

西村進は、1906年に長野県埴科郡埴生村（現在の千曲市）に生まれました。1928年に千葉高等園芸学校（現在の千葉大学園芸学部）を卒業後、花卉園芸の研究者として歩み始めました。

彼は、花卉園芸における近代交雑植物育種研究の第一人者として、特にユリの育種において重要な貢献をしました。1938年には、日本の南西諸島や九州南部原産のテッポウユリと台湾固有種のタカサゴユリを交配させ、ニシムラテッポウユリ（シンテッポウユリ、新鉄砲百合、Lilium x formolongo）を作り出しました。この品種は、その美しい姿と栽培のしやすさから、広く愛されるようになりました。

また、西村進は、日本の育種法（昭和二十二年法律第百十五号）における品種登録制度および品種登録出願制度の制定にも深く関わりました。1947年には、その中心的な役割を担い、日本の育種技術の発展に貢献しました。1951年には、彼が作出したニシムラテッポウユリが、日本で最初に品種登録された品種となりました。このことは、彼の業績を象徴する出来事と言えるでしょう。

研究活動に加えて、西村進は政治家としても活動しました。町議会議員に立候補し当選しましたが、その活動期間は短く、1951年に45歳という若さでこの世を去りました。彼の突然の死は、園芸界だけでなく、多くの人々に惜しまれました。

西村進の功績は、育種研究にとどまりません。彼の植物に対する深い愛情と情熱は、多くの後進に影響を与え、日本の園芸文化の発展に大きな役割を果たしました。園芸家でフラワーアーティストの柿崎順一は彼の又甥にあたります。

著作

西村進は、その研究成果を多くの論文や記事として発表しました。以下に、主な著作を挙げます。

「西村鉄砲ユリの栽培」
掲載誌名: 農耕と園芸
掲載巻: 6
掲載号: 9
出版社: 誠文堂新光社
掲載ページ: 13～16
掲載誌情報（ISSN形式）: 13458833
掲載誌情報（ISSNL形式）: 13458833
発行日: 1951年9月
「おやまりんどうの作り方」
掲載誌名: 新園芸 (別冊)
掲載号: 4
出版社: 朝倉書店
掲載ページ: 178-179
発行日: 1950年4月
「リアトリスの作り方」
掲載誌名: 新園芸 (別冊)
掲載号: 4
出版社: 朝倉書店
掲載ページ: 176-178
発行日: 1950年4月
「グラジオラスの作り方」
掲載誌名: 新園芸 (別冊)
掲載号: 4
出版社: 朝倉書店
掲載ページ: 156-159
発行日: 1950年4月

参考文献

西村進に関する研究や業績を紹介する文献は数多くあります。以下に主なものを挙げます。

「信州の人と産業」
出版社: 信濃毎日新聞社
発行日: 1970年
「明日を築いた人々」 花開く日に　─ 西村 進 ─
著者名: 宇津木元
掲載巻: 第十巻
出版社: 信濃教育会出版部
掲載ページ: 185-205
発行日: 1982年3月
「日本のユリ原種とその園芸種」
著者名: 清水基夫
出版社: 誠文堂新光社
掲載ページ: 157-159
発行日: 1987年
「切り花栽培の新技術、球根」シンテッポウユリ、栽培の基礎
著者名: 渡辺寛之
監修: 林角郎
出版社: 誠文堂新光社
発行日: 1988年
「シンテッポウユリ新品種'阿波の白雪'の育成 - 徳島県」
徳島県　徳島農研報　第３号
著者名: 高木和彦
出版社: 徳島県
発行日: 2006年
「花栽培の新技術　もっと知りたいふるさと　３０」
千曲市　公民館報ちくま
著者名: 青木聡
出版社: 千曲市
発行日: 2012年12月1日



これらの参考文献は、西村進の研究や人物像をより深く理解する上で役立ちます。

出典

提供された情報に基づき作成しました。

もう一度検索