柿崎順一

柿崎順一は、1971年 1月4日、長野県千曲市に生まれました。両親が花屋を営む家庭で育ち、幼少期から自然に囲まれた環境で過ごしました。この環境が、彼の芸術観に大きな影響を与えています。

16歳でフラワーアートを土屋宗良に師事したのを皮切りに、代々木造形学校で基礎造形とデザインを学び、テクノ・ホルティ園芸専門学校では、笠原貞男と山本晃に師事し、花飾学を修得。在学中に花事務所「フルール・ド・ノエル」を設立し、花の撮影に携わりました。その後、インターフローラ・ワールドカップ・チャンピオンの村松文彦に師事し、東京と静岡で修行を積みます。1994年に長野へ帰郷し、実家の花屋を「ファイブシーズンズ」と改組、家業を継ぎました。

2003年には、テレビ[[東京]]の番組「TVチャンピオン」で優勝。この経験がきっかけとなり、フラワーアーティストとしてのキャリアを本格的にスタートさせました。その後、網膜剥離により片眼を失明するという困難を経験しながらも、芸術活動を続けています。

柿崎の作品は、花や葉、実、樹枝、苔類などの植物、キノコや地衣類などの菌類、石や土など自然素材を主材としています。これらの素材を使い、ランドアート、環境アート、アースワーク、フラワーアートなど、様々なビジュアルアート作品を制作しています。作品は、立体、写真、ビデオなど多岐にわたり、国内外で発表されています。特に北欧からの招聘が多く、作品制作の依頼を受けています。

パフォーマンスアートや舞台作品では、俳優として出演することもあります。取扱代理画廊はナオナカムラです。

年譜

- 1971年 - 長野県千曲市に生まれる。
- 1987年 - フラワーアーティストの土屋宗良に師事。
- 1989年 - 代々木造形学校でデザイン・工芸を学ぶ。
- 1990年 - 笠原貞男、山本晃に師事。テクノ・ホルティ園芸専門学校で園芸学と花飾学を学ぶ。
- 1991年 - 花事務所「フルール・ド・ノエル」を設立。
- 1992年 - パルコ・アーバナート＃1展で入選。八木橋百貨店で「街に花と緑を」展をキュレーション。
- 1993年 - 村松文彦に師事。
- 1995年 - 長谷寺のイベントプロジェクトに参画。舞踏家や音楽家の舞台美術を手がける。
- 1998年 - 柿崎順一花事務所を設立。大野一雄の舞踏公演の舞台美術を担当。
- 2001年 - 花の芸術家集団「LEAF」を結成。
- 2002年 - リチャード・ハートと「FLORIDANCE」を結成。
- 2003年 - 初の大型個展「CONNECT」開催。スウェーデンで初の海外公演、個展を開催。
- 2004年 - 荒木経惟の「花人生」展の併設展で、中川幸夫のガラス作品に花をいける。オーストラリアでインスタレーション。
- 2005年 - 外務省「日・EU市民交流年」参加作品を制作。スウェーデン各地で公演。
- 2007年 - 銀座ソニービルで個展開催。リンネ生誕300年記念祝祭公演の舞台美術とパフォーマンスを担当。個展が世界各地を巡回。
- 2008年 - オランダ国際野外演劇祭に招待参加。
- 2010年 - ノルウェー・オスロでインスタレーション。
- 2011年 - Chim↑Pomとのコラボレーションで、福島第一原発事故後の植物を用いた作品を制作。「Artists’ Power」に賛同。
- 2012年 - スウェーデン・ウプサラ美術館の回顧展に出展。
- 2013年 - 坂本龍一らのソーシャルメディア実験プロジェクトに参加。
- 2014年 - スウェーデン・ウプサラ大学の展覧会に出展。アレキサンダー・マックイーンの旗艦店で展覧会開催。
- 2017年 - 札幌国際舞踏フェスティバルに招聘され、舞台作品を上演。
- 2018年 - 福島ビエンナーレ2018に参加。
- 2019年 - 全国都市緑化フェアで個展開催。現代アート茶会を開催。長野県の現代美術史を辿る展覧会に出展。
- 2020年 - フランス・パリで個展開催。福島ビエンナーレ2020に参加。

評価

アレキサンダー・マックイーンのクリエイティブディレクター、サラ・バートンは、柿崎の作品を「美しい花を素材に、自然の生命力を感じさせる作品」と評しています。

舞踏評論家のギレス・ケネディは、柿崎の作品を「舞踏の生命と衰退の花」と表現し、その芸術性を高く評価しています。

長野県知事の阿部守一は、柿崎の作品を「自然の生命力と美しさを表現し、人々に感動と癒しを与える」と評しています。