西武451系電車

西武451系電車について

西武451系電車は、1960年代に西武鉄道で運行されていた通勤型電車です。1959年に新製されたこの電車は、501系の後継形式であり、当時の最新技術が盛り込まれた車両でした。特に注目すべきは、両側に開く客用扉とアルミユニットサッシを採用した点で、これにより乗客の利便性が大きく向上しました。451系はその登場時に、上部が黄色、下部が茶色という独特な塗装を施され、視覚的にもインパクトのあるデザインでした。

車両の技術的特徴

451系では、全金属製の20メートル級車体が採用され、005系のデザインを受け継ぎつつ、軽量化が図られました。具体的には、モハ451形はモハ501形の後期車両よりも約2.5トン軽く設計されており、これにより運行時の効率性も向上しました。前面形状は国鉄の101系電車に類似しており、連続窓風の処理が施された前面窓は、風圧による危険を考慮して3分割構造が採用されました。

客用扉と窓

本系列では、1,300ミリ幅の両開き扉を初めて導入し、外観上の特徴の一つとなっています。客用扉は鋼製で作られ、Hゴムによって窓が固定されていることも特記されます。側窓には全開可能な二段上昇窓が使われ、アルミサッシで構成されています。

ST式戸閉機構の導入

451系は両開扉の本格採用に伴い、戸閉機構も新たに設計されました。これにより、動作の同期を容易にし、保守作業のコスト削減にも貢献しました。この機構は後に他の車両にも多く採用されることとなりました。

車両の運用と増備

新製されたモハ451形は、初期段階ではクハ1411形との連結で運用されていましたが、後にサハ1471形が追加され本系列の固定編成が完成しました。その後も増備が続き、1960年代の初頭にはモハ481-488やサハ1481-1492が新たに製造されましたが、車両の番号整理や仕様変更が頻繁に行われました。

編成の変遷

1970年代に入ると、長大編成による輸送需要に対応するため、4両編成にサハを追加して6両編成化が進められました。この過程で多くの改造が行われ、当初の設計から改良を重ねて新たな運用形態に適応する様子が見られました。

晩年の運用と淘汰

西武451系は1980年代後半まで広く使用されましたが、新型車両の増加に伴い徐々に淘汰されていきました。特に、1984年にクモハ461-クハ1662の組成が解体されたことをもって形式自体が消滅したのです。しかし、部分的な譲渡も行われ、一部の車両は地方私鉄へと移行し新たな運用を開始しました。

譲渡とその後

451系の状態は良好であったため、地方私鉄にも数多く譲渡され、一時期は運行が続けられましたが、最終的には老朽化により全車両が廃車されることとなりました。上信電鉄や三岐鉄道、一畑電気鉄道等での活躍を経て、現存する車両もしばらくしてから解体処分が行われました。

このように、西武451系電車はその技術的特長と運用の変遷を経て、長らく鉄道ファンや利用者に愛されつづけた車両となっています。

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