西武B1形蓄電池機関車

西武B1形蓄電池機関車

西武B1形蓄電池機関車は、1950年に運用が開始された唯一の蓄電池機関車で、かつて西武鉄道の山口線で活躍していました。この機関車は、特にユニークな存在であり、軽便鉄道として開通した「おとぎ線」での運用を目的に製造されたため、その歴史は興味深いものがあります。

概要

「おとぎ線」は、1950年に多摩湖ホテル前駅とユネスコ村駅を結ぶ単線の鉄道路線で、多くの観光客を惹きつけました。当初は「おとぎ列車」という名で、遊戯施設としての役割を担っていました。この区間は762mmという狭い軌間を有する軽便鉄道として設計され、特に子供たちに夢を与える存在でした。

B1形蓄電池機関車は、1950年に西武鉄道保谷電車区で制作され、やや丸みを帯びた凸形の車体デザインが特徴的です。機関車は、日立製作所製のモーター（8PS）を2基搭載し、60ボルトのユアサバッテリー製のバッテリーを2基使用して動力を得ていました。このような設計により、静かでクリーンな運行が可能となり、周囲の環境にも優しい機関車として多くの人々に親しまれました。

1952年にはおとぎ線が地方鉄道法に基づいて地方鉄道に転換され、山口線と改名されました。その後もB1形は、その運用を継続し、山口線の風景の中で多くの思い出を作りました。

しかし、時代の変化に伴い、1978年には5形蒸気機関車の導入により運用を終了し、廃車となりました。B1形はその特異な構造やデザインから交通機関としての役割を果たし続けたものの、利用者のニーズや技術の進歩に応じて、その使命を果たし終えました。

主要諸元

• - 全長: 4,530mm
• - 全幅: 1,720mm
• - 全高: 2,450mm
• - 重量: 7.0t
• - 電気方式: 蓄電池60V × 2
• - 軸配置: B

このように、西武B1形蓄電池機関車は、鉄道の歴史の中で独特の地位を占める存在であり、その運用されていた時代には多くの人々に親しまれていました。現在ではその姿を見ることはできませんが、歴史的な価値を持つこの機関車の存在は、多くの人々の記憶に残り続けています。

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