西浦達雄

西浦達雄（にしうらたつお）は、1954年 9月22日生まれの日本のシンガー[[ソングライター]]であり、大阪音楽大学短期大学部で非常勤講師を務めています。大阪市東住吉区で4人兄弟の末っ子として生まれ、父親はオペラ歌手という音楽一家で育ちました。

浪速高等学校在学中にフォークソンググループを結成し、ヤマハポピュラーソングコンテスト（ポプコン）関西大会の決勝まで進出。高校卒業後は、ジャズピアニストを目指して森関矢に師事しました。しかし、その後の活動はシンガー[[ソングライター]]としての道へと進みます。

1995年の阪神・淡路大震災発生時には、「歌のボランティア」として被災地の避難所を巡回。「瞬間」や「3/4の未来」といったオリジナル曲に加え、「上を向いて歩こう」などの歌を披露し、被災者を勇気づけました。この時、「歌はこんな時のためにあるんだね」という言葉を残しており、音楽の力を信じ、人々に寄り添う姿勢が伺えます。

西浦は、ソングライター、歌手として、自身のオリジナル曲の他に、放送番組のテーマ曲やCMソングなども数多く制作しています。近年では、自動体外式除細動器（AED）の普及活動や高校野球に関する講演活動にも力を入れています。特に高校野球への思いは強く、夏の高校野球中継では長年にわたり楽曲提供を行ってきました。

夏の高校野球中継への楽曲提供

大阪・北新地のクラブでピアニスト兼ボーイとして働いていた際、朝日放送のテレビプロデューサーに見出されたことがきっかけで、1987年から28年間、ABCテレビ制作の全国高校野球選手権大会中継のエンディングテーマに楽曲を提供しました。自身の楽曲がエンディングテーマとして定着すると、大会期間中は阪神甲子園球場の前でフリーライブを開催し、多くのファンを魅了しました。

エンディングテーマとして採用された楽曲は全部で12曲にのぼります。第90回大会（2008年）以降は、決勝戦中継のエンディングに限り、西浦が歌う「君よ八月に熱くなれ」が流れるようになり、この曲は本来中継のオープニングテーマとして使われていたものです。

2014年 7月18日には、自身の公式サイトで同年の第96回大会をもってエンディングテーマの楽曲提供を終了することを発表し、長年の高校野球中継との関わりに幕を閉じました。

主な楽曲

アルバム

迷わずに（1999年）
願いの向こうに…（2004年）
Voice of Mind Extra Version（2004年）
やさしさにかわるまで…（2007年）
はじまりの瞬間…（2010年）
君が明日になる君が夢になる高校野球が僕に教えてくれたこと -28年の軌跡- （2014年）

コンピレーションアルバム

一番熱かった夏〜熱闘甲子園の歌〜（2002年）
Sounds of 甲子園球場（2005年）
Sounds of 甲子園球場（夏の高校野球編）（2006年）
Catch the Dream 日本女子プロ野球リーグオフィシャルソング（2013年）

シングル

瞬間（1991年）
全国高校野球選手権大会中継のエンディングで使用され、大きな話題を呼びました。オリコンチャートシングルランキングでは、初登場の週に唯一の初登場曲としてトップ100にランクインしました。
風の色（1997年）
手の中の青春〜ミレニアム・ヴァージョン〜（2000年）

テレビCM曲

西浦は数多くのCMソングも手掛けており、その一部には心斎橋アセンス、ホテルニューアワジ、ネスカフェ・プレジデント、フリスキー・モンプチ、小川珈琲、毛髪クリニックリーブ21、日本漢字能力検定、つるやゴルフ、新日本海フェリー、小糸製作所などがあります。

テレビ番組テーマ曲

全国高校野球選手権大会中継
熱闘甲子園
甲子園への道
部長刑事シリーズ
おはようコールABC

楽曲提供作品

村上隆行、中村雅俊、二木あつ子、藤田朋子、及川ひろみ、石屋智子、小林恵、田中誠太、寺田一義など、数多くのアーティストに楽曲を提供しています。

その他

阪神甲子園球場場内BGMや、関西六大学野球連盟連盟歌、第100回全国高校野球選手権大会イメージソング、大阪府立大型児童館ビッグバンテーマ曲、阪神電気鉄道の電車接近メロディなど、多岐にわたる音楽制作に携わっています。

ラジオ番組

西浦達雄は、2012年度のナイターオフ期間に、ABCラジオで自身初のレギュラー番組および冠番組「西浦達雄のエールを君に！」を担当しました。番組では、高校野球中継の実況で知られる清水次郎アナウンサーとともにパーソナリティを務めました。

著書

小説『スニーカーエイジ』（廣済堂出版、2011年）