西海賢二

西海賢二（にしがい けんじ）氏は、1951年7月6日生まれの日本の歴史学者、民俗学者です。東京家政学院大学の名誉教授であり、博士（歴史学）と博士（民俗学）の学位を有しています。

学歴と職歴

神奈川県小田原市で生まれた西海氏は、筑波大学大学院歴史人類学研究科史学専攻博士課程を修了しました。その後、2005年に『近世山岳信仰の地域的展開ー武州御嶽山・伊予石鎚山を中心にしてー』で國學院大学から博士（民俗学）の学位を、2008年には『近世の民間宗教者と地域社会』で駒澤大学から博士（歴史学）の学位を取得しました。

長年にわたり、日本山岳修験学会理事、地方史研究協議会委員、日本民俗学会理事、日本民具学会理事、常民文化研究会代表など、数多くの学会や研究会で要職を歴任しました。また、一般財団法人古橋懐古館名誉館長、石鎚神社西海文庫文庫長、NPO法人石鎚森の学校副理事長、文化庁文化審議会専門委員、東京都文化財保護審議会委員、葛飾区文化財保護審議会委員、小田原市文化財保護審議会委員など、文化財保護に関する委員も多数務めています。

教育者としては、愛知大学大学院講師のほか、法政大学、筑波大学、茨城大学、横浜国立大学、山口大学、駒澤大学大学院、二松学舎大学、専修大学、立正大学、跡見学園女子大学、福山大学、調布学園女子短期大学などの大学で講師を務め、後進の育成にも力を注ぎました。

研究分野

西海氏の研究は、山岳信仰、修験道、民間宗教、地域社会、民俗文化財など、多岐にわたります。特に、近世における山岳信仰の地域的展開や、民間宗教者と地域社会の関係、漂泊する宗教者の活動などに関する研究で、学界に大きな貢献をしています。

主な著書

西海氏は、数多くの単著と共編著を執筆しています。主な単著には、以下のようなものがあります。

『武州御嶽山史料と民俗』（1979年）
『筑波山と山岳信仰』（1981年）
『武州御嶽山信仰史の研究』（1983年）
『石鎚山と修験道』（1984年）
『近世遊行聖の研究』（1984年）
『江戸の漂泊聖たち』（2007年）
『近世の遊行聖と木食観正』（2007年）
『念仏行者と地域社会　－民衆の中の徳本上人－』（2008年）
『東日本の山岳信仰と講集団』（2011年）
『江戸の女人講と福祉活動』（2012年）
『博物館展示と地域社会　－民俗文化史からのまなざし－』（2014年）
『城下町の民俗的世界　－小田原の暮らしと民俗－』（2014年）
『旅と祈りを読む　道中日記の世界』（2014年）
『旅する民間宗教者　－歓待と忌避のはざまに生きて－』（2017年）

これらの著書を通じて、西海氏は、民俗学的な視点から、日本の宗教文化や地域社会の歴史を深く掘り下げています。

その他の活動

西海氏は、研究活動だけでなく、文化財の保護や地域の文化振興にも積極的に取り組んでいます。文化庁文化審議会専門委員や各自治体の文化財保護審議会委員を務めるなど、その活動は多岐にわたります。

西海賢二氏は、日本の歴史学と民俗学の発展に大きく貢献してきた、現代を代表する研究者の一人と言えるでしょう。

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