西濃鉄道市橋線

市橋線の概要

市橋線は岐阜県大垣市に位置する美濃赤坂駅から乙女坂駅を結ぶ、西濃鉄道の鉄道路線です。この路線は、貨物専用として運行されており、東海旅客鉄道（JR東海）の美濃赤坂線と連携しています。

路線の基本情報

• - 路線距離: 総延長は2.0 km、営業キロは1.3 km
• - 軌間: 1067 mm
• - 駅数: 2駅（起終点駅を含む）
• - 複線区間: 全線単線
• - 電化区間: 全線非電化
• - 閉塞方式: スタフ閉塞式
• - 最高速度: 30 km/h

市橋線には、乙女坂駅から名古屋臨海鉄道の名古屋南貨物駅へと向かう専用線が接続しており、定期的に貨物列車が運行されています。運行本数は1日3往復ですが、出荷量によっては運休することもあります。

過去の旅客列車の運行

市橋線では、1930年から1945年までの間に旅客営業が実施されていました。当初、美濃赤坂駅を起点に市橋駅、赤坂本町駅を経由し、大垣駅へと至る路線が運行されていました。この際、国鉄キハニ5000形による直通運転が行われ、後に国鉄キハ40000形に変更されましたが、戦時中の燃料事情の悪化により、1945年に運行が停止となりました。旅客業務が廃止された後、赤坂本町駅は廃止され、一部の駅跡には記念石碑が立てられています。

歴史

市橋線の歴史は、1926年12月に西濃鉄道が敷設免許を取得したことに始まります。1928年12月には美濃赤坂駅から市橋駅間が開業し、当初は貨物営業のみが行われました。1930年には旅客営業が開始され、新たに赤坂本町駅が開業されましたが、1935年には旅客営業区間が短縮され、その後1945年に全線の旅客営業が廃止されました。

近年では、2006年に猿岩駅から市橋駅間が廃止され、2016年には美濃赤坂駅近くで脱線事故が発生しました。2022年には乙女坂駅から猿岩駅間が廃止され、この区間は乙女坂駅構内に編入されました。

現在の運行内容

現在の市橋線では、乙女坂駅において矢橋工業の赤坂事業部が石灰石の発送業務を行っています。他の貨物取扱いは少なく、猿岩駅での二硫化炭素の取扱いは数年前に終了しました。

市橋線は、歴史的な背景を持ちながら現代の貨物輸送に対応した路線として、岐阜県大垣市の物流の一端を担っています。鉄道の一部が廃止されたものの、その役割となる貨物輸送は今後も続いていくことでしょう。

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