西脇昌治

西脇 昌治（にしわき まさはる）

西脇昌治は1915年1月23日に東京で生まれ、1984年4月14日に亡くなりました。彼は日本の哺乳類学の分野で著名な学者であり、数々の業績を残しました。学習院初等科から高等科を経て、1939年に東京帝国大学農学部水産学科を卒業しました。その後、同年4月1日に海軍航空隊に召集され、飛行科予備学生として訓練を受けました。彼は小松島海軍航空隊にて教官を務めたり、ボルネオ島で航空隊長を歴任した後、1945年には海軍少佐に進級し、終戦を迎えました。戦後、彼は1946年7月に復員し、召集が解除されるとともに、彼の学問の道を進むこととなりました。

西脇は、農学博士の学位を取得し、1965年には東京大学の教授に就任し、同大学の海洋研究所の所長も務めました。1975年には琉球大学の教授となり、理工学部の長にもなりました。また、彼は日本哺乳動物学会の会長を歴任し、学界において大きな影響力を持っていました。特に、彼が提唱したハンドウイルカの呼び名「バンドウ」は、現在でも水族館関係者や野生個体研究者の間で使われています。

彼はまた、数多くの著書を執筆しました。特に1965年に発表した『鯨類・鰭脚類』は高く評価され、東京大学出版会から出版されました。この著作は、彼の豊富な研究成果を収めた重要な文献となっています。また、教育分野でも活躍し、1954年には児童書『鯨のからだ』を発表し、1957年には『南氷洋の捕鯨』を編纂しました。さらに、1967年に出版した『くじら』は、イラストレーターの藪内正幸と共に制作されたもので、子供たちに鯨に対する理解を深めるための有意義な一冊です。

彼の学術的な成果は多岐にわたり、1951年には博士論文「鬚鯨類の年令査定に関する検討」を東京大学にて提出し、農学博士の学位を授与されました。また、1977年には大村秀雄博士と共同で「鯨類の資源生物学的研究」に関して日本学士院賞を受賞するなど、その業績は広く認められました。

西脇昌治は1976年に紫綬褒章を授与された後、1984年に旭日中授章（勲三等、正四位）も受けるなど、彼の貢献は評価されています。彼の妻は久留米藩士の長女であり、美子（はるこ）との家庭を築き、私生活でも成功を収めました。

彼の業績は日本の哺乳類学だけでなく、海洋生物学の発展にも寄与し、多くの研究者に影響を与え続けています。特に、日本哺乳類学会においては、その貢献が後世に受け継がれており、彼の名は今も多くの研究や学問に関連付けられ、評価されています。

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