西谷泉

西谷 泉（にしたに いずみ）

1951年に大阪府で生まれた西谷泉は、日本の教育界における重要な数学者および教育学者です。数学教育学を専門分野とし、長年にわたり研究と教育実践に携わってきました。群馬大学の名誉教授であり、日本数学教育学会の名誉会員も務めています。

西谷氏の学歴は、大阪教育大学附属高等学校天王寺校舎を卒業後、大阪教育大学教育学部の数学専攻で学び、さらに大学院教育学研究科で数学教育学を修了しました。その後、教育者としてのキャリアをスタートさせ、大阪府立北野高等学校（定時制）や大阪府立泉大津高等学校で教諭を務めました。さらに母校である大阪教育大学附属高等学校天王寺校舎でも教壇に立ちました。

1994年4月には、群馬大学教育学部に活躍の場を移し、助教授として着任。研究と教育への貢献を続け、准教授を経て教授に昇任しました。大学での職務と並行して、群馬大学附属特別支援学校の校長も兼任し、多様な教育現場の運営にも関与しました。2017年3月に群馬大学を定年退職した後も、教育への情熱は衰えることなく、群馬大学名誉教授の称号を得るとともに、放送大学の客員教授や育英大学の教授などを歴任し、後進の指導や研究活動を継続しました。

西谷氏の研究分野は多岐にわたりますが、中心は数学教育学にあり、特に授業研究に深い関心を寄せ、その改善と発展に努めました。また、諸外国の数学教育に関する比較研究も行い、国内外の教育システムの理解を深めました。

教育活動は国内に留まらず、国際的な貢献も顕著です。国際協力機構（JICA）の教育プロジェクト専門家として、インドネシア、パレスチナ、エチオピアといった国々で教育支援活動に従事しました。これらの活動を通じて、開発途上国の数学教育の発展に尽力し、国際社会における教育機会の向上に貢献しました。

研究成果は多くの著作や論文として発表されています。主な著書には以下のようなものがあり、その内容は数学教育の方法論から歴史、さらにはコンピュータを活用した教育まで幅広い分野に及んでいます。

単著

『算数であそぼう -空間と割合-』（岩崎書店、1994年）
『ロゴでアドベンチャー』（岩崎書店、1995年）
『中日近現代数学教育史』（ハンカイ出版、1999年）
その他、論文多数

共著

『算数・数学教育の研究と実践』（第一法規出版、1983年）
『算数教育とパソコン』（第一法規出版、1987年）
『数学教育とパソコン』（第一法規出版、1987年）
『協同学習の発展-CCV教育プロジェクト第2次報告-』（三菱電機株式会社発行、1996年）
『中日近現代数学教育史（第1巻）』（ハンカイ出版印刷株式会社、1997年）
『こんにちはウィンドウズ』（岩崎書店、1997年）
『21世紀への学校数学の展望』（誠文堂新光社、1998年）
『教科教育の今日的課題と展望』（あさを社、2011年）
* その他、論文多数

西谷泉は、一貫して数学教育の質的向上と普及に情熱を注ぎ、研究、教育、国際協力という多角的なアプローチを通じて、この分野の発展に大きく貢献した人物と言えます。

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