西豊川駅

西豊川駅の歴史と概要

西豊川駅（にしとよかわえき）は、愛知県豊川市に位置するかつて存在した日本国有鉄道の飯田線に属する駅で、1942年に開業し1956年に廃止された廃駅です。この駅は、飯田線豊川駅から分岐する西豊川支線の終着駅として、多くの歴史的背景を持っていました。

開業の背景

西豊川駅が開業した背景には、豊川市内に設立された豊川海軍工廠への物資や従業員を輸送するための交通手段が求められたことがあります。豊川海軍工廠は1939年に設立されたものの、西豊川支線の開通はそれよりも2年半遅れ、1942年5月12日に実現しました。これに伴い、同日に西豊川駅も業務を開始しました。当初、現在の飯田線南部では豊川鉄道という私鉄が運営を行っており、西豊川支線と西豊川駅もこの会社が手がけていました。駅は、旅客輸送と貨物輸送の両方を行う一般駅としての機能を持ち合わせていました。

工廠との関係

西豊川駅は海軍工廠の敷地には接していませんでしたが、工廠内には専用の鉄道が整備されており、約2kmの幹線と1.6kmの側線が敷かれていました。また、西豊川支線は電化されており、一部区間では専用線も電化されていたため、乗客は西豊川駅から北東門乗降場まで直通電車で向かうことが可能でした。ただし、一般の旅行者は西豊川駅までしか乗車できず、工員や関係者専用の便が存在していました。

国有化とその後

1943年8月1日、豊川鉄道線全線が国有化されると、西豊川駅も国鉄による運営に変わりました。しかし、戦争による影響で1945年10月に海軍工廠が閉鎖された後も駅の営業は続きました。とはいえ、利用者数は1日平均約20人とごくわずかになり、1956年の9月15日付けで廃止されることとなりました。

鉄道の跡

廃止後も西豊川支線の線路は完全には撤去されず、工廠跡に設立された国鉄浜松工場豊川分工場への引込み線として活用されました。1963年にこの分工場が閉鎖されると、線路は日本車輌製造に譲渡され、同社の豊川製作所の専用線として現在も生き続けています。

隣接駅

• - 日本国有鉄道
• - 飯田線 西豊川支線

- 豊川駅 - 西豊川駅

西豊川駅の歴史は、地域の産業発展に重要な役割を果たし、戦後の鉄道網の変遷にも影響を与えるものでした。駅の存在は短いものでしたが、その背後には多くの人々の生活や工場の営みがあったことを忘れてはいけません。

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