西遊記 (2007年の映画)

映画『西遊記』の概要

『西遊記』は、2007年7月14日に日本で公開された映画であり、同名の人気テレビドラマの映画化作品です。制作過程は2006年に遡り、テレビシリーズの第6巻と第7巻の間を埋めるサイドストーリーとして描かれています。春休みに放送された特別編をきっかけに、映画化の発表が行われ、期待が高まりました。

ストーリーの展開

物語は、三蔵法師と彼を支える三人の弟子、孫悟空、沙悟浄、猪八戒が天竺を目指す旅の途中で展開します。広大な砂漠を越える最中、彼らはかつて緑豊かで繁栄した王都『虎誠（フーチェン）』に立ち寄ります。そこでは、王女・玲美が悲しみに包まれているのです。

玲美によると、この王国は妖怪の兄弟、金角大王と銀角大王の襲撃によって壊滅に追い込まれました。彼らは玲美の両親を妖術で亀の姿に変え、国の財産や民の勇気を奪いました。玲美の嘆願を受けて、悟空たちは兄弟を討つため、彼らの根城である山へ向かうことになります。

製作の背景

2006年5月19日にカンヌ国際映画祭の場で映画製作が発表され、出演する香取慎吾が孫悟空の衣装を身にまとい登場しました。この際に制作費が10億円に及ぶことが表明され、日本の映画界における新たな挑戦として位置づけられました。その後、2006年10月に中国の銀川でクランクインし、2007年1月には撮影が完了しました。

撮影中、特に1月に行われた中国ロケでは悪天候に見舞われ、撮影は困難を極めたと伝えられています。また、映画の公開に合わせてさまざまなイベントや特別番組も企画されました。

公開後の反響

映画の公開を記念して、5月9日を『悟空の日』と定め、関連商品の販売やイベントが開催されました。さらに、7月にはフジテレビのイベント「ザ・冒険王2007」で映画に基づいたブースが設置され、スピンオフ作品の短編も上映されました。

その他、ラジオドラマ『東遊記』や27時間テレビの放送も行われ、本作を盛り上げるための特別企画が数多く実施されました。

キャストとスタッフ

主演にはSMAPの香取慎吾、ウッチャンナンチャンの内村光良、深津絵里など豪華なキャストが名を連ねています。監督は澤田鎌作、脚本は坂元裕二が担当しました。また、音楽はMONKEY MAJIKが手がけており、主題歌も大きな話題となりました。

受賞と評価

『西遊記』は第25回ゴールデングロス賞日本映画部門で優秀銀賞を受賞するなど、商業的にも成功を収めました。TV放送も行われ、その後もDVDが販売されるなど、長く愛される作品となっています。エンターテインメントとしての要素を持ちながら、伝説的な物語の魅力を前面に押し出した作品として、多くのファンに支持されています。

このように『西遊記』は、日本の映画界において特異な地位を築いた一作であり、放送された作品とも密接に関連しあいながら、時代を超えて語り継がれる作品となっています。

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