西部の大決闘

西部の大決闘：ドルーピーの知略が光る痛快西部劇コメディ

1954年1月30日、[メトロ・ゴールドウィン・メイヤー]より公開された『西部の大決闘』(原題: Drag-A-Long Droopy)は、数々の名作アニメーションを生み出したテックス・アヴェリー監督によるドルーピーシリーズの一編です。西部開拓時代を舞台に、羊飼いのドルーピーと、ずる賢いオオカミとのユーモラスな対決を描いた、痛快な短編アニメーション作品として知られています。

物語：羊と牛の大草原バトル

広大な大草原、羊の大群を率いて移動するドルーピー。そこに、多くの牛を所有するオオカミの牧場が隣接しており、両者の間で縄張り争いが勃発します。 オオカミは、ドルーピーを追い払おうとしますが、ドルーピーの機転と巧みな羊の操縦術の前にあっけなく敗北。牧場へ逃げ帰ります。

しかし、物語はここで終わりません。翌日、オオカミは牛の大群を率いてドルーピーの羊の大群に挑み、大草原で両軍が激突する大乱闘が繰り広げられます。ドルーピーは、持ち前の知恵と勇敢さで、再びオオカミを翻弄し、見事勝利を収めます。

魅力的なキャラクターたち

本作では、ドルーピーの知略と、オオカミのおっちょこちょいが際立って描かれています。

ドルーピー: 今回は羊飼いの姿で登場。一見すると頼りなさげなドルーピーですが、状況を的確に判断し、羊を巧みに操り、オオカミを打ち負かす知略と行動力を見せます。彼の機転と冷静さは、本作の大きな魅力となっています。
オオカミ: 多くの牛を飼う牧場主として登場。ドルーピーを敵視し、彼を追い払おうとしますが、策略はことごとく失敗し、ドルーピーの知略に翻弄されっぱなし。乗馬の腕前も悪く、タクシーを使ってドルーピーを追いかける場面も見られます。コミカルな動きと間抜けな姿が、笑いを誘います。

スタッフと制作

監督は[テックス・アヴェリー]]、製作はフレッド・クインビー、共同製作にはウィリアム・ハンナ]と、MGMカートゥーンスタジオの豪華スタッフが名を連ねています。アニメーション制作には、グラント・シモンズ、マイケル・ラー、レイ・パターソン、ロバート・ベントレー、ウォルター・クリントンといった実力派アニメーターが参加。脚本はヘック・アレン、背景はジョン・ディドリック・ジョンセン、音楽は[[スコット・ブラッドリーが担当しています。テクニカラーによる鮮やかな色彩と、ウェスタン・エレクトリックによる高品質な録音も、作品の完成度を高めています。

日本での放映とソフト

日本では、TBS系列で放映された『トムとジェリー』の短編アニメーションの中に挿入される形で放送されていました。また、『トムとジェリー ドルーピーといっしょ VOL.4』(VHS)に収録されています。

まとめ

『西部の大決闘』は、ドルーピーの知略とオオカミのおかしな行動が織りなす、テンポの良い西部劇コメディです。ドルーピーの知略に富んだ活躍と、オオカミのドジさが生み出す笑いは、世代を超えて多くの人々を魅了し続けるでしょう。 個性的なキャラクターと、テンポの良い展開、そして鮮やかな色彩は、何度見ても楽しめる魅力に溢れた作品です。

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