西部二人組

西部二人組（せいぶににんぐみ）

『西部二人組』は、1971年から1973年にかけてABCで放送された西部劇コメディドラマであり、日本では1972年から1973年にかけてNHKにて放送されました。全三シーズンで、アメリカのテレビ界に新たな風を吹き込んだ作品です。

概要

本作は、俳優ピート・デュエルとベン・マーフィーが主演を務めており、デュエルはシリーズの最初の33話に登場しましたが、1971年12月に突然自ら命を絶ったため、その後はロジャー・ディビスが彼の役を引き継ぎました。このドラマは、制作のユニバーサルTVとパブリック・アーツの協力により作られ、ロイ・ハギンズが代表として製作に関わっています。

特に注目すべきは、当時のアメリカのテレビ界における「暴力追放」の流れを反映し、「暴力否定」をテーマにくわえたことです。1969年の映画『明日に向って撃て!』からの影響も感じられますが、制作を担当したグレン・A・ラーソンは新たな西部劇のスタイルを模索していました。

あらすじ

物語は19世紀末のアメリカ西部を舞台にしています。開拓時代が終わりを迎える頃、銀行強盗と列車強盗で指名手配中の二人、ハンニバル・ヘイズとキッド・カーリーが、善悪の狭間で揺れ動く人間らしいキャラクターとして描かれています。この二人は、ある老婦人から知事の恩赦の話を聞き、条件を満たせば無法者から抜け出せる可能性に胸を膨らませます。しかし、恩赦を受けるためには一年間犯罪を犯さないことが求められ、その期間中も依然として追われる身であり続けなければなりません。

理論家でポーカーの名手のヘイズと、優しい性格のガンマンであるカーリーは、偽名スミスとジョーンズを名乗り、日々の生活や追跡から逃れながら、周囲の人々との交流を描きます。彼らの周囲には、善良な市民から悪党までが関わり、スリリングでユーモラスな展開が展開されます。彼らは「善」を名乗る一方で、反社会的な過去から逃れることの難しさを体験し、斬新なスタイルで描かれる西部劇の面白みが詰まっています。

日本版オープニング・ナレーション

日本で放送された際には、特有のオープニングナレーションが用意され、視聴者にこの物語の背景を紹介しました。

キャスト

• - ハンニバル・ヘイズ（ピート・デュエル／ロジャー・ディビス）: 本作の中心人物で、偽名としてジョシュア・スミスを名乗ります。
• - ジェッド・キッド・カーリー（ベン・マーフィー）: もう一方の主役で、サディアス・ジョーンズという偽名を使います。

エピソード

シリーズは三シーズンにわたり展開されましたが、第3シーズンは日本では放送されていません。各シーズンは異なるストーリーやキャラクターの成長を描き出し、西部劇の新たな楽しみ方を提供しました。

スタッフ

本作の製作には多くの優れたスタッフが関わっており、音楽や撮影においても高い評価を受けています。特にビリー・ゴールデンバーグによる音楽が印象的で、作品の雰囲気を一層引き立てています。

『西部二人組』は、そのユニークなコンセプトと魅力的なキャラクターたちによって、今もなお多くの視聴者に愛されています。また、DVD化もされており、新しい世代にもその魅力が届けられています。

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