明日に向って撃て!

『明日に向って撃て!』について

概要

『明日に向って撃て!』（原題: Butch Cassidy and the Sundance Kid）は、1969年に公開されたアメリカの西部劇映画です。この作品は、実在した銀行強盗ブッチ・キャシディとサンダンス・キッドの冒険を描いており、特にアメリカン・ニューシネマを代表する作品として評価されています。作品の中で使われたストップモーション技法を駆使したラストシーンは映画史に残る名場面として語り継がれており、バート・バカラックが手掛けた主題歌「雨にぬれても」も大ヒットしました。2003年にはアメリカ国立フィルム登録簿に登録されています。

ストーリー

物語は1890年代のアメリカ西部が舞台です。開拓が進んだ西部で名を馳せた二人の銀行強盗、ブッチ・キャシディとサンダンス・キッドは、家畜を盗んだり、銀行を襲ったりと悪行を重ねています。ブッチは知恵者で、南米ボリビアへ行く夢を抱いています。一方、サンダンスは美男子で早撃ちの名手です。

彼らは別の二人組の誘いからユニオン・パシフィック鉄道の列車強盗を決行します。その後、近隣の町でエッタ・プレイスという学校の教師と出会い、彼女との何気ない日々を楽しむことになります。しかし、彼らは再度列車を襲い、鉄道会社は彼らを捕まえるためにピンカートン探偵社を雇い入れます。

ブッチとサンダンスはなんとか逃げ切りますが、追手はしつこく、彼らは次第に追いつめられていきます。ブッチは決心し、サンダンス、そしてエッタと共にニューヨークを経由してボリビアへ向かうことになります。しかし、彼らが想像していたボリビアは金や銀が豊富な場所ではなく、貧しい国でした。彼らはエッタにスペイン語を教わりつつ銀行強盗を繰り返し、次第に名を上げていきます。

その後、ブッチとサンダンスはスズ鉱山で給料袋のガードマンとして雇われることになりますが、給料袋を山賊に奪われ、雇い主が殺されてしまいます。二人は山賊を襲い、給料袋を取り戻します。エッタは牧場経営を提案しますが、二人はそれに気乗りしません。エッタはアメリカに戻る決意をします。

その後、彼らは再び悪党に逆戻りし、再びお尋ね者となります。アルパコ鉱山の給料袋を奪取し、宿屋で食事をしていると、宿の少年が焼印を見つけ、警察に通報されます。駆けつけた警察との銃撃戦の中で、ブッチとサンダンスは追い詰められます。建物に逃げ込むも、完全に包囲されますが、絶望の中でも「次はオーストラリアに行こう」などと冗談を言いながら、最後まで生き延びることを信じて銃を構え、外に飛び出します。

キャストとスタッフ

この映画は、ジョージ・ロイ・ヒルが監督を務め、ポール・ニューマンとロバート・レッドフォードが主演します。脚本はウィリアム・ゴールドマンが手掛け、多くの受賞歴を持っています。特に第42回アカデミー賞では撮影賞や脚本賞、作曲賞などを受賞しました。

主題歌

主題歌「雨にぬれても」は、作詞をハル・デヴィッドが、作曲をバート・バカラックが担当し、B・J・トーマスが歌唱しました。この曲は1970年1月3日のビルボード週間ランキングで第1位に輝いた他、年間ランキングでも4位にランクインしました。

受賞歴と影響

本作は、その斬新な撮影技法や魅力的なキャラクターたちにより、映画史に大きな影響を与えました。ウィリアム・ゴールドマンが脚本を手掛けた後、映像化に際して多くの調査を行っており、実在の人物を基にした物語の重みがあります。

最後に

『明日に向って撃て!』は、単なる西部劇を超えて、人間の友情や冒険、夢を追い求める姿を描いた作品として、多くのファンから支持されています。映画のストーリーやキャラクターへの理解を深めることで、過去の歴史を知る一助にもなるでしょう。

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