西部警察 PART-II

『西部警察PART-II』は、1982年から1983年にかけてテレビ朝日系列で放送された人気テレビドラマシリーズです。前作『西部警察PART-I』から続くハードアクションを主軸としながらも、多くの点で刷新された作品となっています。

まず大きな変更点として挙げられるのは、キャストの入れ替えです。前作からのレギュラーであった源田刑事と谷刑事が降板し、代わりに沖田刑事と浜刑事が新たに加わりました。沖田刑事の着任経緯は描かれていますが、浜刑事は最初から捜査課に所属しており、大門と古くからの知り合いという設定です。さらに、「CORNER LOUNGE」というバーにいた朝比奈の代わりに、「セブン」というスナックの七重が登場。大門明子役も古手川祐子から登亜樹子へと交代しています。

設定面でも変更が見られます。捜査員たちが集う場所は「CORNER LOUNGE」から「セブン」へ変わり、大門兄妹のアパートも、洒落たロフト付きの部屋から一般的な間取りへと変更されています。明子の職業も漫画家から幼稚園の教員に変わっています。平尾刑事や鳩村刑事など、続投したレギュラー刑事の衣装なども微妙に変化しています。こうした変更点の多さから、一部書籍では『PART-II』を前作とは異なるパラレルワールドとする見解もあります。

音楽も大きく変わりました。前作で音楽を担当した宇都宮安重と石田勝範に代わり、羽田健太郎が作編曲を担当。演奏は高橋達也と東京ユニオンが担当しました。ただし、前作の楽曲も一部使用されており、東京ユニオンによるレコードリリース用楽曲以外のBGMは、羽田健太郎が作曲した他の作品からの流用が多いのが特徴です。

『PART-II』におけるもう一つの大きな特徴として、全国縦断ロケが挙げられます。このロケは『PART-III』まで続く長期企画で、『PART-II』では4度にわたって地方ロケが行われました。静岡、広島、北海道、三重・名古屋と、各地で迫力のあるシーンが撮影されています。静岡ロケでは、当時空き地だった静岡駅前にヘリコプターを着陸させるという大胆なシーンも実現しました。広島ロケでは路面電車の爆破シーン、北海道ロケでは廃墟の爆破シーンなどが話題となりました。

車両についても変更点があります。第1話から14話まではマシンX（サファリ4WD）が使用され、15話以降はスーパーZとマシンRSが登場します。

放送地域についても、福井県と石川県では系列局が変更となり、放送日時も変更されています。また、CS放送ファミリー劇場ではHDリマスター版が放送され、その宣伝として「日本全国ぶらり爆破の旅」というミニコーナーも制作・放送されました。

主題歌は石原裕次郎が歌う「時間よお前は…」と「勇者たち」、挿入歌には豊島ひとみ、八木美代子、石原裕次郎などが参加しました。

『西部警察PART-II』は、前作からの変更点も魅力の一つであり、全国縦断ロケによる各地の風景や、ハードなアクションシーン、個性的な登場人物たちが織りなす物語は、シリーズの中でも特に人気が高い作品の一つと言えるでしょう。各エピソードのクライマックスシーンは、スケールの大きさや迫力において視聴者を圧倒しました。 キャスト、スタッフ、音楽、ロケ地、そして車両など、様々な要素が織りなす魅力あふれる作品です。

もう一度検索