西都ハロー・ジロー

西都ハロー・ジローとは

西都ハロー・ジローは、昭和の時代に活躍した著名な兄弟漫才コンビです。彼らは京都府京都市東山区で生まれ、兄弟としての絆を糧に多くの人々に笑いを提供しました。兄・ハローと弟・ジローは、もともとは別の姓を持っていましたが、ジローは養子として育てられたため、林田姓を名乗ることとなりました。彼らのキャリアは、株取引を営む家業からスタートしましたが、次第に漫才の世界へと移行しました。

コンビの誕生と成長

戦前、彼らは「ハロー淳・漫」というコンビ名で初舞台に立ちました。その後、「西都波呂・治呂」と改名し、最終的には「西都ハロー・ジロー」として広く知られるようになりました。彼らは特に関西地方の演芸会で活躍し、多くのファンに支持されました。

戦争と復帰

戦争の中で、二人は従軍することになりました。特にジローは、インパール作戦に参加し、左腕を失い、右足に銃弾が残るという悲劇を経験しました。しかし復員後も、義手を使いながら舞台に立ち続け、決して諦めない姿勢を貫いたことで、観客にも深い感動を与えました。

漫才スタイルと影響

彼らの漫才スタイルは、古き良き時代の俄や軽口を思わせるものでした。笑いのセンスや即興のやりとりで聴衆を魅了し、「実況録音 上方漫才黄金時代」には「嘘も方便」として収録されています。また、上方演芸会にも何度か出演し、上方漫才の幅を広げました。

コンビ解消とその後

1965年11月、兄ハローが没したことでコンビは解散しましたが、ジローはその後、ダンサーの妻と新たに「林栗助・桃子」として活動を再開します。しかし、成功には至らず最終的に廃業することになりました。

エピソードと人間味

西都ハロー・ジローは、漫才の世界に多くのエピソードを残しました。たとえば、喜味こいしが手を切られる芝居をする際、ジローの義手を借りたところ、意図しなかった方向に話が進み、客席からは意外な反応が返ってきたこともあります。また、桂右之助は、ジローの義手を目立たないように工夫していたというエピソードもあります。彼らはただ笑いを提供するだけでなく、周囲の人たちとの信頼関係や支え合いの姿勢も示していました。

まとめ

西都ハロー・ジローの存在は、日本の漫才界において重要な位置を占めていました。彼らは、戦争を経験しながらも舞台に立ち続け、多くの人に愛される存在となったのです。その彼らのストーリーは、笑いの中に人間の強さや温かさを感じさせるものでした。

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