西鉄300形電車 (鉄道)

西鉄300形電車の概要と変遷

西鉄300形電車は、かつて西日本鉄道（西鉄）が運行していた通勤型電車です。この形式は製造年によって異なるタイプに分類され、特に1939年から1948年にかけて製造された車両が存在します。初期の急行用301形から、17メートル車両の303形、さらに18メートル車両の308形へと分かれています。

車両構成

300形は、制御電動車のモ300形（301-312）、制御車のク350形（351-362）、中間電動車のモ320形（324-327）の3つの種類で構成されています。最初は大牟田線系統で使用されており、1961年に初の5両編成運転が開始されました。しかし、後に5000形が増備されると、300形は運用から撤退し、一部は宮地岳線（現在の貝塚線）に転属されました。

駆動方式の変更と改造

製造当初は全車が吊り掛け駆動方式を採用していましたが、宮地岳線への転属後、一部車両は新しい台車とともにカルダン駆動方式に改造されました。この際、大規模な車体更新や冷房化も行われ、外観は大きく変化しています。また、製造は近畿車輛、汽車製造、日本車両製造、川崎車輛の4社によって行われました。

塗装

当初の塗装は大牟田線時代のクリーム色とマルーン色のツートンで、宮地岳線に移動した車両はオキサイドイエロー基調にボンレッドの帯に改められました。基本的には2〜3両の編成で、全車がロングシート仕様で、定員は先頭車が120人、中間車が130人とされていました。

使用と廃止の経緯

300形は、全28両中の多くが宮地岳線に転属されましたが、運用が減少し、2007年には廃止が決定されました。同年4月1日には、307編成以外のすべての車両が廃車となり、307編成も12月には運行を終えました。その結果、300形は形式として消滅しました。

各編成の詳細

特徴的な編成には、1948年に製造された303-312・ク353-362の戦後型があり、片運転台式でロングシートの内装が施されています。この編成は3両の固定編成が一般的で、その後、多くが宮地岳線に転属され、ワンマン運転に対応するための改造を受けました。

自社製品の車両は、時代の変化とともに様々な形態に更新され、多種多様な運用を経験しています。また、305-355の編成は、一部が冷房化されつつ運用され、宮地岳線では長年活躍が続きましたが、最後は他の形式に置き換えられる形で廃車となりました。

最終的に、311-361・312-362の編成は吊り掛け式電車として利用されていましたが、207年に宮地岳線の部分廃止に伴い、「記念電車」としての運用を経て、同年4月には運行を終えました。車両の運用履歴は複雑で多岐にわたりますが、300形は西鉄の歴史において重要な役割を果たしました。

性能

モ303形の基本仕様は、全長17,500mm、全高4,065mm、全幅2,744mmで、自重は37.5t、定員は120人（座席44人）です。また、モ308形の仕様では、全長が18,500mm、全高4,100mm、全幅2,740mm、自重38.3t、定員120人（座席48人）というデータがあり、駆動機関の出力も異なっていました。

このように、300形はその変遷を通じて、西鉄の通勤形電車としての役割を果たし、多くの利用者に親しまれていたことでしょう。

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