西高瀬川

西高瀬川の概要

西高瀬川（にしたかせがわ）は、京都府京都市を流れる淀川水系の一級河川です。この河川は京都市右京区の嵯峨天竜寺角倉町から桂川を取水し、伏見区下鳥羽上向島町で鴨川に合流します。全長は約15キロメートルあり、途中で直角に流れ方角を変えるなど、独特な流路を持ちます。

地理的特徴

西高瀬川は、桂川から分かれた後、主に一級河川の有栖川と交差し、その後天神川へ向かいます。水路はポンプアップによって三条坊町公園前から流れ出し、その後は東西に分かれて流れます。流域内では、壬生地区で南に向きを変えると、次第にすべての流れが鴨川方へと注ぎます。

しかし、流域にはいくつかの地形的特色があり、高樋町や西七条地区などでは水が流れたり干上がったりすることが見られます。特に江戸時代から続く交流と利用があった地域において、その重要性は長い歴史を通じて変わらないものの、最近では水質問題も抱えています。

歴史的背景

江戸時代初期に角倉了以により開削された大堰川が、西高瀬川の水運の基盤を築きました。文久3年（1863年）には、渡月橋上流から市中心部へ木材を直接運ぶための運河が開かれることで、流域の商業が発展します。明治期に入ると、京都府がこの運河を引き継ぎ、さらに鴨川までを結ぶ土木事業が進められました。

土木事業の一環として、木材の筏流しが1884年に始まり、これにより丹波地方からの木材運搬がますます効率化されます。流域の農業でも、特に繁忙期の農業用水の確保が重要であり、農家と材木業者の間での取り決めなども存在しました。

環境問題と動き

昭和10年（1935年）の大水害以降、河川は再構築が進み、流れはドライ化する傾向にあります。近年では、京友禅や染物から出る有害物質の堆積による水質汚濁が問題視され、流れが干上がるなどの状況が続いています。このため、2002年には国土交通省が「第二期水環境改善緊急行動計画」の対象河川に指定し、その後水質改善が進められています。

流域の自治体は、京都市の右京区、中京区、下京区、南区、伏見区と広がり、地域の環境や生活に親しむための取り組みが進んでいます。オゾン処理された水が流入するなど、流域全体での水環境整備がなされています。

現在の状況

現在、西高瀬川には多数の橋が架かっており、特に太秦地区では各家に橋が1本ずつあるほど小規模な橋が多くあります。流域の状況は地域によってさまざまですが、最近の取り組みで少しずつ改善が見られ、水への親しみを感じる環境づくりが進められています。

このように、西高瀬川は歴史的背景を持つだけでなく、地域社会の生活に密接に関わる重要な存在であり、その保全と再生には地域全体の協力が求められています。

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