見世物学会

見世物学会について

見世物学会（みせものがっかい）は1999年11月に設立された、見世物文化を専門とする研究団体です。この団体は文化人類学者の山口昌男、文学者の種村季弘、俳優の小沢昭一などの著名な研究者や、藤平興行、大寅興行、安田興行などの見世物業界の主要な関係者によって構成され、現在約130名の会員が登録しています。

見世物の背景

この団体のウェブサイトによれば、見世物はサーカスやお化け屋敷、見世物小屋などを含み、昭和30年代には50を超えて存在していた小屋が、現代では非常に珍しい光景となっています。体験する人も著しく減少しましたが、歌舞伎などの日本の伝統的な芸能のルーツとも言える存在です。このため、会員は日本に残された見世物の魅力を再確認し、その根底にある日本文化との結びつきを追求しています。

構成と運営

事務局は埼玉県越谷市に位置し、年会費は一般が8,000円、学生は4,000円です。会員は、学会誌『見世物』や学会紙「大見世物」、また総会講演会に無料で参加できる特典があります。会長を務めているのは京都文教大学教授の鵜飼正樹で、前会長には演劇学者の田之倉稔が在任し、その役割に貢献してきました。その他の役員には理事や顧問、参与といった様々な専門家が名を連ねています。

総会と活動

見世物学会はこれまでに数多くの総会を開催しており、各回にさまざまなテーマを持った講演が行われています。1999年の設立当初から、毎年のように活発な活動が続けられています。各地での総会では、見世物に関する講義や研究発表が行われ、特に注目される講師陣が多いのも特徴です。たとえば、「大阪の盛り場、千日前の娯楽」や「歌舞伎・見世物・演劇」など、日本の伝統的な文化を交えた内容が盛り込まれています。

近年の取り組み

近年では、見世物の拡張や、新しい視点からの見世物に関する研究を推進しています。例えば、見世物の一環としてのサーカスや、さらには地下に存在する見世物文化についての討論会も行われています。また、学会の若手研究者が集う機会も設けられ、活発な意見交換がなされています。

このように、見世物学会は日本における見世物文化の保存や研究を通じて、その重要性を広く知ってもらう努力を続けています。また、見世物に関する知識や文化の共有は、次世代の研究者や愛好者たちにとっても励みとなることでしょう。これからも日本の見世物の魅力を探求し、発展させていくことが、見世物学会の今後の目標です。

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