視能訓練士

視能訓練士（Certified Orthoptist：CO）は、視能訓練士国家試験に合格し、厚生労働省の視能訓練士名簿に登録された医療資格者です。医師の指示のもと、両眼視機能に障害を持つ患者さんの視機能回復を目的とした訓練や検査を行います。理学療法士（PT）、作業療法士（OT）、言語聴覚士（ST）と同様に、リハビリテーション専門職として医療チームの一員を担っています。

定義

視能訓練士は、厚生労働大臣の免許を受けて、医師の指示のもと、両眼視機能に障害のある患者さんに対して、その機能回復のための矯正訓練や必要な検査を行う専門職です。これは、視能訓練士法第2条に定められています。

業務内容

視能訓練士の主な業務は、視能訓練士法第17条に基づき、以下の通りです。

両眼視機能の回復訓練: 斜視や弱視など、両眼視機能に障害がある患者さんに対して、視機能回復のための訓練を実施します。
眼科検査: 視力、視野、屈折、調節、色覚、光覚、眼圧、眼位、眼球運動、瞳孔、涙液などの基本的な眼科検査を行います。さらに、超音波検査、電気生理学的検査、写真撮影検査など、高度な検査も実施します。ただし、人体への影響が大きいと判断される検査は除きます。

これらの業務を通じて、患者さんの視機能の状態を正確に把握し、適切な治療方針の決定と、訓練による機能回復をサポートします。

歴史

視能訓練士制度は、1971年（昭和46年）に視能訓練士法が成立し、第1回視能訓練士国家試験が実施されたことから始まりました。その後、1993年（平成5年）に視能訓練士法が改正され、業務内容や資格に関する規定が見直されました。

略称

以前は、「Orthoptist」の頭文字をとって「ORT」と略称されていましたが、近年では国際的な呼称に準拠して「CO（Certified Orthoptist）」と略されることが多くなっています。

養成校

視能訓練士になるためには、視能訓練士養成課程のある大学や専門学校で専門知識や技術を習得し、国家試験に合格する必要があります。これらの養成校では、基礎医学から臨床医学、視能訓練に関する専門的な知識や技術を学びます。

関連情報

視能訓練士の活動や資格に関する詳細は、以下の関連機関のウェブサイトをご参照ください。

公益社団法人日本視能訓練士協会: 視能訓練士の専門性を高め、国民の目の健康に貢献するための活動を行っています。
全国視能訓練士学校協会: 視能訓練士を養成する教育機関が連携し、質の高い人材育成に取り組んでいます。

視能訓練士は、眼科医療において重要な役割を担う専門職です。患者さんの視機能の回復をサポートし、QOL（生活の質）の向上に貢献しています。

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